4月16日にカンザスシテイで開催されるUFCファイトナイト。メインイベントはUFC記録に並ぶ10度目の防衛に挑む、難航不落のフライ級王者「マイティ・マウス」ことデメトリアス・ジョンソンが、実に4ヶ月振りのタイトルマッチで、ウィルソン・ヘイスを迎え撃つ。
軽量級最速、勝率の高さからUFCの全階級最強を意味する「パウンド・フォー・パウンドランキング」でも1位のジョンソン。過去9度の防衛はリビングレジェンド、アンデウソン・シウバの10度に次ぐものだ。
それ以上に凄いのはタイトル移動と世代交代の著しいMMAの世界で2012年のフェザー級開設以来、ただ一人の王者として君臨し続けていることだ。もはや初代王者がタイトルに就いているのは今年新設された女子フェザー級のみ、2013年以降は4年間ぼぼ休むことなく定期的に防衛を続けて来たという意味でも真の王者といえる。
対するブラジルのウィルソン・ヘイスは現在階級のランキングは3位。2月の佐々木憂流迦戦に完勝し、2016年から3連勝無敗で上位ランクにつけ挑戦権を得た。柔術黒帯で寝技の技術に長けたファイターだが、寝ても立っても一流の絶対王者にどこまで通用するか、不動のフェザー級タイトルの行方が気になるところだ。
またメインカードではその他にも、女子ストロー級王者ヨアンナ・イェンドジェイチェクへの挑戦を見据えた、ローズ・ナマユナス(4位)vsミシェル・ウォーターソン(6位)の上位ランカー対決。王者、マイケル・ビスピンを筆頭に、ヨエル・ロメロ、ルーク・ロック・ホールド、ゲガール・ムサシ、クリス・ワイドマンと錚々たるラインナップのミドル級戦線の中から、ジャカレ・ソウザ(3位)vsロバート・ウィテカー(6位)という注目の対決が用意されている。
また大注目は、ぷよぷよした風貌から人気のヘビー級ファイター、ロイ・ネルソンがレフェリーを蹴るという暴挙のペナルティから明けて復帰する。
2016年9月のアントニオ・シウバ戦でTKO勝利後に、「レフリーのストップが遅い」と激昂したネルソンは、レフェリーに蹴りをかまし9ヶ月の出場停止と罰金を科され謹慎していた。相手はアレクサンドル・ボルコフ(11位)、前回ランカーのティモシー・ジョンソンを判定で下し2連勝を狙う。前回こそシウバの勝利したネルソンだが、前述の事件に加えここ数年ヘビー級のトップファイター相手に負けが込んでいるので、絶対に負けられない復帰戦となる。