昨年12月に発売され、わずか2カ月足らずで完売した「岡山弁トランプ」第1弾「でーれーセット」に続き、第2弾の「ぼっけーセット」が発売され、話題になっている。著者は岡山弁協会会長の青山融(とおる)さんで、地元出版社の吉備人(きびと)出版から発行されている。
(右が昨年12月に発売され完売した「でーれーセット」、左が今回発売された「ぼっけーセット」)
「でーれーセット」よりさらに濃い岡山弁が満載という「ぼっけーセット」は前作同様、各カードに岡山弁一語とその意味、アクセントやイントネーションを表す音符が付いており、正しい発音が分かるようになっている。ハートは「ぼっけー(すごい)」などの形容詞で、クラブは「はっとーじ(カメムシ)」などの名詞、ダイヤは「もげる(音程が外れる)」などの動詞で、スペードは「じゃーじゃー(そうだそうだ)」などその他品詞とフレーズに分けられている。
これまで北海道弁から沖縄弁まで、全国各地の方言トランプが他社から発売されていたが、それらに比べて「岡山弁トランプ」は細部まで工夫を加えており、方言をより楽しめるものにしている。カードの数字が大きくなるにつれて難易度も上がっていき、ジョーカーは「でーれーセット」と同じく「もんげー(すごい)」。著者の青山さんによる一語ずつの語源や豆知識などを盛り込んだ楽しい用語解説も付いている。
青山さんは「月刊タウン情報おかやま」「オセラ」の編集長を務めたあと、岡山弁研究者として多くの映画やドラマの方言監修を担当。各地で岡山弁の面白さや訛りの法則を紹介しつつ、方言の奥深さや大切さを伝える講演も行っている。著書に「岡山弁会話入門講座」「岡山弁JAGA!」などがある。
(吉備人出版の守安涼さん)
同出版社で制作を担当した、守安涼さんは「若年層を中心に岡山弁になじみのない人が増えていることもあり、『遊びながら岡山弁を残していきたい』という青山さんの思いから岡山弁トランプを制作しました。この2セットで主要な岡山弁は、ほぼカバー出来たと思います」と話す。
第1弾の「でーれーセット」は、岡山県内の方が3、4つ買って県外に住む子どもや親戚にプレゼントしたり、年末年始に帰省する際におみやげに持たせたりするケースが多かったという。異なる世代の人や岡山県内外の人などをつなぐコミュニケーションツールとして活用されているようだ。
守安さんがおすすめする遊び方は「神経衰弱をやると盛り上がりますね。カードをめくると、つい言葉のほうに集中してしまい、数字が覚えられないので、ゲームがなかなか終わらないんです。2セットを混ぜて、言葉の意味を当てる遊びなどをしても面白いですよ」とのこと。
緑色のキャラメル箱入りの「岡山弁トランプ ぼっけーセット」は、本体1100円+税(税込み1188円)で、岡山県内の主な書店やネット通販などで取り扱っている。
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