今年4月、厚生労働省にある部署が設置された。その名は「アルコール健康障害対策推進室」だ。これを受けて、ネットでは「お酒も規制強化なの?」と懸念が広がっている。しかし、アルコール規制は今や世界的な流れだ。日本も“飲み放題禁止”となってしまうのだろうか。一方で若者の飲酒離れもささやかれているが、その実態はどうなのだろうか。

この記事の写真をみる(3枚)

 「アルコール健康障害対策推進室」はもともと内閣府にあった部署であるという。今後は飲み放題の禁止や酒類の自動販売機での販売禁止など、飲酒の規制に関する議論が加速するのではないかとインターネット上で盛り上がっており、「酒が規制されたら死んでしまう」「飲み放題は酒という楽しみを楽しむのに必要なもの」などの意見がある。さらにタバコと比較し、「タバコは“百害あって一利なし”だから規制強化賛成だが、お酒は適量飲めば薬になるから規制強化するのもどうかと思う」という声もあった。

 「アルコール健康障害対策推進室」の業務としては、都道府県ごとにアルコール健康対策推進計画の策定を要請、アルコールに関する医学的な研究の支援、アルコールに関する正しい知識の啓蒙などがある。具体的には、飲み会の場でのアルコール・ハラスメントの撲滅、未成年者への酒類提供の拒否の徹底を呼びかけるという。

拡大する

 日本は世界的にみてもアルコール規制が緩いというが、WHO(世界保健機関)は2010年の総会において、「アルコールの有害な使用を減らすための世界戦略」を採択している。具体的に挙げている酒害対策の例としては、「お酒の安売り禁止・飲食店での飲み放題禁止・酒類の広告規制」などがある。世界各国の対策としては、米・カリフォルニア州やイギリスでは「自販機による酒類の販売が事実上禁止・小売店の酒類の販売許可時間が制限」など、またフランスでは「1.2%以上のアルコール飲料をテレビ・映画で広告することを禁止」となっている。さらにシンガポールでは2015年、「アルコール飲酒規制法」が成立し、公共の場での午後10時半から午前7時までの飲酒が全面禁止とされた。

拡大する

 実は日本でも既にアルコールの規制が行われている。CMなどで聞いた覚えのある「ゴクゴク」という効果音を使用しないという自主規制がなされるようになり、昨年7月から使われていないという。日本でもこうした規制を取るようになった背景には理由がある。厚生労働省によると飲酒による事故や社会的損失、医療費の合計が4兆1483億円であるのに対し、アルコール飲料の国内市場規模が3兆6000億円となっており、飲酒は経済効果より損失の方が大きいというのだ。

 お酒を飲む頻度を年代別に調べたところ、週に1回以上飲むという割合が60代の54.5%から若い年代ほど減っていき、20代では34.3%となっているデータもある。(2016年8月「ワインバザール」調べ)若者の飲酒離れは進んでいるのだろうか。また、国のこのような動きに対し、若者はどのように考えているのだろうか。

 番組で今の若者のお酒に関する実態を調査したところ「週末ぐらい」と飲む頻度について答える男性は「夜から朝まで飲むことが多い」とのことで、「ハイボールやビール」をよく飲むそうだ。また別の男性は「だいたい毎日飲んでいる」と答える。「缶ビール2本くらい。次の日に仕事があったり、用事があったりするから」とのことだ。

 一方で、「1カ月に1回飲むか飲まないかレベル」と答える男性もいた。「ビールをコップ1杯でもう十分。苦いものが苦手で、あまり美味しいと感じなくて、割とカクテルとかフルーツ系の甘いテイストの酒を飲んでいる」とのこと。

 飲酒規制で今後“飲み放題”が禁止されるかもしれないという問いかけに対しては「別に『飲み放題付き』の店には行かないから。お金がないときはもうお酒を飲まない」と答える男性も。別の女性は「私はそんなに飲まないのであまり関係ない話かと思う。自分が満足できる量でいいかなと」と答えた。さらに別の女性からは「そこまで縛られて飲むのが好きではないので、量を飲まなければいけないという気持ちになるのが嫌なので利用しない」との意見もあった。

 この“飲酒規制”問題は今後どのような動きを見せるのか。注目だ。

AbemaTV/原宿アベニューより)

(C)AbemaTV

原宿アベニュー-ニュースが見放題。 - Abemaビデオ | AbemaTV
原宿アベニュー-ニュースが見放題。 - Abemaビデオ | AbemaTV
原宿アベニュー-ニュースが見放題。
原宿アベニュー | AbemaTV
原宿アベニュー | AbemaTV
原宿発!!若者目線のニュースショー
AbemaNewsチャンネル | AbemaTV
AbemaNewsチャンネル | AbemaTV
AbemaTVは無料でテレビ番組が見れるインターネットテレビ局です!
この記事の写真をみる(3枚)