23日、韓国大統領選挙の候補者が3回目のテレビ討論会を行った。討論会には最大野党「共に民主党」の文在寅氏、第二野党「国民の党」の安哲秀氏らが出席、北朝鮮の核開発問題を解決する方法といった質問も出たが、候補者たちは具体的なビジョンや政策は語らずに終わった。

 そんな韓国の大統領選挙に、北朝鮮が介入しようとしているという疑惑があるという。韓国統一省の李徳行報道官は19日の定例会見で「北朝鮮は特定候補を支持し、大統領選挙の過程で我が国民の世論を欺き、対立を煽ろうとする目的を持っている。そのような旧態依然とした行動はやめるべきだ」と述べた。

 北朝鮮の労働新聞は「論説」で「傀儡保守の輩たちが再び政権を取ることを絶対に認めてはならない」と主張、韓国のメディアは「北朝鮮が韓国の政治に介入する意図を露骨に示した」との見方を示した。さらに労働新聞は3月29日、「文在寅氏が当選する可能性が高い。彼は朝鮮半島の政策に関してアメリカと対立することができる人物」と、文氏を応援しているとも取れる主張を掲載したという。

 また、北朝鮮は多数のSNSを運営しているとみられ、偽装したTwitterアカウントからの発信は数千から数万にも上ると言われている。その一つとみられる「わが民族同士」は、2012年に「セヌリ党こそ民族の災いの源」「あらゆる不幸の根源だ」というセヌリ党を批判するTweetをしたほか、今月10日には「大統領選挙から南朝鮮の政治の後進性が見える」ともTweetしている。また、「韓国保守派の粗悪な実態を解剖する」といった内容もあり、大統領選挙の情報操作をしようとしている様子が見て取れる。韓国に対しそのような情報工作を行う北朝鮮の部隊「偵察総局204局」は、北朝鮮に穏健な盧武鉉氏が勝利した2002年の大統領選挙でも水面下で動いていたとされている。

 デイリーNKジャパン編集長の高英起氏によると、北朝鮮は情報操作や軍事行動によって韓国の世論を対立・混乱させようとしているのだという。ただ、「確かにサイバー攻撃やSNSを通じた情報戦をやっているが、現実的には必ずしも効果を得られていない」と話す。

 高氏によると、「文在寅氏は北朝鮮とつながっていることがスキャンダルになって、むしろ必死に火消しにまわっている」のだという。北朝鮮がそんな逆効果とも思える情報操作を行っている背景には「北朝鮮は韓国の空気感が分かっていない。日米韓が色々な問題はありつつもしっかりと北朝鮮包囲網をしっかりとやっている。北朝鮮はどのような形でも良いから、それをぶれさせたい」という意図があるのだという。

 さらに高氏は「北朝鮮が文氏の当選を期待していることは間違いない」としながらも「文氏の周りには文氏以上に親北朝鮮の人がいる。中にはいき過ぎの人もいる」と指摘、そうした人々の存在が、大統領選後に問題となる可能性を示唆した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

AbemaPrime 中国が進撃!? 北朝鮮で広がる"怪情報"とは? | AbemaTV
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