5月10日、プロレス団体DNAが初の後楽園ホール大会を開催する。

DNAは、DDTグループの1ブランド。いわゆる「若手興行」なのだが、現在は「FIGHTING GIG」と銘打ち、アドバイザーとして東京03の豊本明長が登場するなど、独自の演出で個性を発揮している。

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(5月2日の記者会見には、桜庭、潮崎も出席)

若い選手同士の出世争いに加え、有名ベテラン選手にDNA勢が挑む闘いも見どころの一つ。後楽園大会では、メインイベントで樋口和貞vsマイク・ベイリーの「DNA最強決定戦」が行なわれるだけでなく、ビッグネームも多数参戦する。たとえば、以下のようなカードだ。

鈴木鼓太郎vs勝俣瞬馬

桜庭和志vs岩崎孝樹

TAKAみちのくvsMAO

潮崎豪vs鈴木大

DNAのレスラーたちが大物と闘う中で何を掴み、観客にどんなアピールをするのか。そこからどんな成長をするのか。それぞれにテーマがある闘いだ。

地元、北海道で山本喧一の指導を受け、高山善廣とはタッグを結成。今回は桜庭と対戦する岩崎は「テーマの一つは(桜庭、高山、山本が所属していた)UWFインターナショナル。桜庭さんの歴史に挑戦したい」と意気込む。

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(いつものようにマイペースでコメントした桜庭。潮崎と並ぶのは珍しい)

そんな岩崎に、桜庭は「Uインターはもうなくなったので。新しいことを考えながらやりたい」と余裕を感じさせた。岩崎にとっては、桜庭を慌てさせ、本気にさせることが第1のハードルと言えそうだ。

潮崎と鈴木は、7分1本勝負という特殊な形式で行なわれる。この試合は「目覚めろ、鈴木大!試練の七番勝負」の第3戦。鈴木は7戦全敗でプロレスラー強制引退となるが、1試合でも勝てば引退撤回。引き分けでもOKとなる。

「自分も七番勝負を経験して、先輩たちが叩き潰してくれたから今がある。今回は鈴木選手、鈴木選手へのDNAの期待を。この右腕でへし折りたい」

そう語った潮崎。異例の試合形式にも「短い時間にどれだけ詰め込めるかが勝負。短い時間でさえも逃げたいと思わせる試合を」と、ノアを支える“豪腕”らしいコメントを残した。

一方の鈴木は「潮崎選手にとっては短い7分間でも、僕にとっては長い長い7分間。絶対に引き分けて、この七番勝負を終わらせる」と、気合いの入った引き分け宣言。「欲を出すといいことがないので」と、あくまで勝利は狙わない戦法だという。

思わず潮崎も苦笑いする中、7分間フルタイム闘う秘訣として「とにかく我慢する」と鈴木。ノアのシングルマッチは長期戦が多いだけに、もしたら...と思わせなくもないが、果たしてどうなるか。

異色カードから団体トップを決める闘いまで。DNA初の後楽園大会は新鮮な光景を見せてくれそうだ。

文・橋本宗洋

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