新日本プロレスのビッグマッチ、6月11日の大阪城ホール大会での2大タイトルマッチが正式決定した。IWGPヘビー級選手権のオカダ・カズチカvsケニー・オメガと、内藤哲也vs棚橋弘至のIWGPインターコンチネンタル王座戦だ。
2試合とも、今年の1.4東京ドーム大会と同じ組み合わせのタイトルマッチ。関西での大一番にリマッチが行なわれるのは、それだけこのマッチアップが“鉄板”だということでもあるのだろう。
インターコンチ戦は、4.29別府大会でタイトル防衛を果たした内藤に、棚橋が挑戦表明する形で決まったもの。しかし内藤は「棚橋はEVILに勝ったけど、まだ1勝1敗でしかない」と、棚橋に挑戦権がないことを主張。以前から、棚橋の言うことは会社が通してしまうと批判していただけに、試合を受けない姿勢を見せていた。
入場時にベルトを蹴るなど、王者らしからぬ振る舞いが問題視されることもある内藤だが、観客からの支持は圧倒的。棚橋の挑戦が唐突だとする今回の言い分も、正論ではある。
そんな中で気になるのは、棚橋の現在の立ち位置だ。挑戦表明の中で、棚橋は1.4ドームの内藤戦で「トドメを刺された」と言っている。昨年の1.4はオカダとのIWGP戦で敗れ、今年は内藤に敗北。これは単に「タイトル奪取ならず」ということではないはずだ。
これまで新日本を牽引してきた棚橋が東京ドームという特別な舞台で敗れることは、いわば「政権交代」「王位継承」のようなもの。新日本のトップの座がオカダと内藤の両輪に替わったことを意味する。
実際、内藤に敗れた後の棚橋は、タグチジャパンのメンバーとして主にNEVER6人タッグ王座をめぐる闘いに参加してきた。
つまり、ここ最近の棚橋は「路線変更」していたのだ。それでも、大阪城ホールで内藤のIC王座に挑戦。棚橋は路線を再変更し、再びシングルプレイヤーとして新日本マットの中心に戻るかどうかの岐路に立っていると言っていい。
タッグ、6人タッグ戦線を盛り上げるのも大事な役割。しかしシングルのベルトを巻いてこそのエースでもある。今後、棚橋は「ベテラン」としてある程度、落ち着いたポジションになるのか、それともまだまだトップレスラーなのだと証明するのか。内藤戦にかけられているのは、ベルトだけではない。
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