今年スタートした新イベント『SEI☆ZA』の第2回大会が、5月11日に後楽園ホールで開催された。GIRLS BUDO ENTERTAINMENTというキャッチフレーズを掲げるこの大会。海外からやってきた女性が日本で共同生活を送りながら武道を学び、成長していくというのがコンセプト。

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(3vs3勝ち抜き戦、ワンマッチともに勝利したSEI☆ZAチーム。エース格のユリアは6月に過激ルールの格闘技ラウェイにも出場する)

今大会では空手道禅道会との3vs3勝ち抜き戦が行なわれ、SEI☆ZAチームが勝利。ワンマッチではエース格のユリア・ストリアレンコが女子総合格闘技のパイオニアの一人・薮下めぐみに一本勝ちを収めた。

KO、タップアウトだけでなく相手を掴んで押し出すことでポイントになる「スモーポイント」やスリーカウントフォールもポイントになるなど独自のルールを採用しており、その新鮮さも大会の盛り上がりを後押ししたと言えるだろう。また、前大会に比べて選手の成長が見られたのも収穫だった。

ただ、選手の個性や成長ぶりを数ヶ月に一度の試合以外でも伝えていく必要はあるだろう。大会を運営する山口日昇氏も、そのための体制を作ることが急務であり、資金集めの重要性を痛感しているという。

『SEI☆ZA』のプロジェクト全体を一種のリアリティ・ショーと考えるなら、ネット配信などで練習風景やインタビューなどの映像もこまめに見せていく必要がある。

まして“主人公”は外国人選手だ。来日してからそれなりに時間が経つわりに、記者会見で日本語を話そうとしないのも、日本が舞台である以上はマイナスではないか(あるいはそれも戦略なのか)。

運営側は、既存の格闘技との違い、スポーツではなく武道であることを強調し、そこから見える選手の成長や哲学を感じてほしいというのだが、“単なるスポーツ”にだってドラマはあるし、ファンは選手の成長や感情、考えを感じ取っている。それは当たり前のことで、『SEI☆ZA』は当たり前のこと以上を見せる仕掛けがほしいところ。

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(参戦発表したKiss Beeの石井美音奈。不安もあるが「相手を殴ってみたい」と強気なコメントも。もちろんアイドル活動も継続する)

この日の大会では、アイドルグループKiss Beeのメンバー・石井美音奈の参戦も発表された。合気道の経験が少しある程度だという石井だが、陸上部出身で“歩く運動神経”“野生児”とも呼ばれており期待は高い。6月から練習に参加し、年内デビューを目指すという(ルールはヘッドギア着用など安全面を重視したものになるようだ)。マジメな格闘技ファンは怒るかもしれないが、SNSを駆使したアイドルの発信力はバカにできないし、これまでとは違う層にアピールできる可能性も。何より“頑張ること、頑張る姿を見せること”に関してはアイドルは本当に長けている。

いずれはアイドル同士の対抗戦も、と山口氏は考えているようだ。アイドルが実際にそこまでやるか、ファンが求めるかは未知数だが、この新路線も含め、『SEI☆ZA』には独自だからこその難しさと楽しさがある。

文・橋本宗洋

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