芸能界での生き残り術を次世代に伝える番組『TVじゃ教えてくれない業界裏教科書』(AbemaTV)に、これまで2万店を取材し、体重がデビュー時の58kgから120kg超に増加した彦摩呂が「先生役」として若手の女性芸能人5人に「食レポ」の技術を伝授した。

この記事の写真をみる(4枚)

 生徒役はモデル・池田美優、タレント・ほのか、タレント・都丸紗也華、モデル・女優・レースクイーンの青山めぐ、そしてグラビアアイドルの籠谷(こもりや)さくらの5人。彦摩呂といえば、豊かな表情と、「具の満員電車や~!」といった独創的な表現で知られる食レポの名人である。

 彦摩呂によると彼だけでなく、食レポのプロは皆が実践しているテクニックがあるという。それは「最低限 料理を口に入れる前に2秒ストップする」というもので、これを「命の2秒」という。たとえば、丼ぶりなどを持ち上げ、そこでカメラマンに中身を見せ、箸で丼の中身を取る。そして、口に入れるまでの間に2秒の間隔を入れるというのだ。レポーターの全体像を撮影した後、丼の中身を見せ、そこでいきなり食べてしまうと、カメラが口にズームを当てるのが間に合わなくなってしまうのだ。

 この2秒があることにより、湯気を見せられたり、肉ものなら油のツヤ感が見せられたりするなど、料理を美味しく見せるための重要ポイントとなる。さらには、スタッフ的にも編集がしやすいため喜ばれる。彦摩呂は親子丼の食品サンプルでこの技を見せていたが、その時の決めゼリフは「噛んだら鶏肉が反発する! 鶏肉の反抗期や~!」だった。そのうえで、生徒に対しては「めっちゃ可愛い顔をしてください。2秒待つと自分の顔も長く映るので“おいしい”んです」と助言をした。

 さらに、ここからは「この4つを抑えるだけで食レポの8割をカバーできる」という焼肉、とんかつ、ラーメン、カレーの食べ方を伝授した。これら4つは、とにかく視聴率を取れる食べ物で、これから彦摩呂が解説するポイントをつかむと、「あのコできるな!」とスタッフから思われ、次なる仕事に繋がるのだという。

◆焼肉、とんかつのおいしそうな食べ方

拡大する

 焼肉がおいしそうに見えるテクニックは、「お箸で持つときは肉の一番端をつかむとシズル感・ダイナミック感が3割アップ」だ。シズル感とは、脂がしたたる様子や、網による焦げ目、煙など、食べ物がおいしそうに見える感覚的なものである。

 焼肉の場合、一番端をつかむと肉の表面が大きく見える。一方、真ん中の部分を箸で持つと、肉の半分の面積しか見えなくなってしまう。大きさを強調するために、端っこを持つのだ。そして、肉を取る時だけでなく、タレをつける時も端っこを持つのが重要なのだとか。彦摩呂は細かいながらも重要な指摘をする。それは、肉を取る時は、自分の手前から取らないということ、カメラに肉の裏面が見えるよう取ることにより、裏側の焼き目も見せることができる。同様にお椀の蓋を開ける時もこの配慮が重要だ。カメラの側からひっくり返すことにより、中身を見せることができる。とにかく食レポの場合、スタッフから「あっ、このコできるわ」と思われる工夫を細部に宿らせなくてはいけない。

 また、とんかつの場合は、「とんかつは端から3切れ目を取り、ソースは手前につけるのが大鉄則」という法則が明かされた。彦摩呂はこう語る。

「断面が一番美しい。3切れ目の曲線になっている(大きな)ところは、油と肉の比率が丁度良い。端っこは脂身だらけですからね。あと、ソースは手前にダラダラとつけ、衣のサクサク感を味わいましょう。ソースがついてるエリアとついていないエリアを作り、味の変化をつける。刺身もそうですが、素材の味が失われるので、どぼどぼにつけてはいけません」

◆ラーメン、カレーのおいしそうな食べ方

拡大する

 続いてはラーメンのテクニックへ。「これができたらカメラマン&ディレクターの評価急上昇」とされたテクは「スープをすくい上げる時は表面から3㎜の部分をすくい上げる」だ。

「レンゲをどぼんと入れないようにしましょう。ラーメンは、スープにカネをかけています。旨みが表面3mmに詰まっていますので、味の大事なポイントとなります。れんげをドボンと入れ、すくい上げるのではなく、グッと押しながら押すことによって、スープが回りながら放物線を描いてレンゲに入り、きれいに映ります」(彦摩呂)

 そして、麺の量については、箸の指の部分と箸の先端までの距離の3分の1程度が理想的。多過ぎると下品になり、少なすぎると貧弱になる。麺の本数は14本だ。麺を食べる時は、啜り切るべきだと主張する。啜るのは下品だと考え、上品に見せるべく麺を噛み切ると麺がボロボロと落ちてこれは「画」的に良くない。唇で麺を引き上げるのも同様に良くない。上手に啜るためには、一旦面を引き上げ、長さを把握し、全体量をまずは把握を。

 ただし、酸辣湯麺は鬼門だという。酢が蒸気で上がってくるだけでなく、辛いため確実にむせるので注意が必要だ。彦摩呂はむせてしまい、一度ロケを止めざるを得なくなったこともある。

拡大する

 最後はカレー。「食レポのプロなら100人中100人がそうする! すくい上げるべき場所は ルーとライスの境目」というテクニックが披露された。彦摩呂は、真ん中のライスにルーがかかっている部分をスプーンですくい「1スプーンカレー」「ミニカレー」を作るように心がけている。まずはルーとライスを食べ、スパイスの香りを感じ、2口目から具を食べるべきだという。この「ミニカレー」理論は海鮮丼にも応用され、刺身だけを食べるのはご法度。ここでも「ミニ海鮮丼」を作らなくてはならないのだ。その点、鰻重は門をキューブ型に切れば「ミニ鰻重」が完成するためラクだという。

 最後は“実食シーンは「箸入れ」「箸あげ」が食レポの成功を左右する!”という格言が読み上げられた。

(c)AbemaTV

【無料】テレビじゃ教えてくれない!業界裏教科書 - Abemaビデオ | AbemaTV
【無料】テレビじゃ教えてくれない!業界裏教科書 - Abemaビデオ | AbemaTV
見逃したテレビじゃ教えてくれない!業界裏教科書を好きな時に何度でもお楽しみいただけます。今ならプレミアムプラン1ヶ月無料体験を実施しています。
【無料】テレビじゃ教えてくれない!業界裏教科書 - Abemaビデオ | AbemaTV
【無料】テレビじゃ教えてくれない!業界裏教科書 - Abemaビデオ | AbemaTV
見逃したテレビじゃ教えてくれない!業界裏教科書を好きな時に何度でもお楽しみいただけます。今ならプレミアムプラン1ヶ月無料体験を実施しています。
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(4枚)