東京都世田谷区、京王線八幡山駅近くにネットで話題の図書館があるという。それが「大宅壮一文庫」だ。大宅壮一文庫とは、評論家の大宅壮一氏(1900年~1970年)が生前資料として集めた明治時代以降140年あまりの雑誌コレクションを引き継ぎ、1971年に設立された日本最初の“雑誌専門”の図書館。公立図書館ではないため、入館料300円が必要だ。
なぜこの図書館がいま、話題になっているのだろうか。
話題になった発端は大宅壮一文庫が資金難のため、クラウドファンディングを呼びかけたことだった。近年のインターネットの普及などで図書館の利用者が激減。従来通りの運営を続けていくのが難しくなり、図書館存続のために運営資金500万円を募るプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトには多くの賛同者が集まり、5月25日の午後3時時点で目標を大きく上回る600万円以上が集まっている。
大宅壮一文庫の主な利用者は、放送や出版などのマスコミ関係者と論文を執筆する大学生や研究者だという。テレビ業界の多くのスタッフも、AD時代に通って色々な調べものを行った場所でもある。ある事柄を取材するなかで、庶民の文化や風俗など当時の世相が直に感じられる週刊誌などの雑誌は貴重な資料になる。
現在、大宅壮一文庫には約78万冊が所蔵されており、今後も毎年1万冊ずつ増加される予定だという。大宅壮一文庫は通常の図書館と異なり、「閉架式」という職員が書庫から本を持ってきてくれるというシステムをとっている。職員は78万冊もの蔵書の中から注文のあった雑誌を瞬時に見つけ出す。どの雑誌がどこに所蔵されているのか、職員は全員把握しているという。実際、10冊を探し出すのにかかった時間は5分だった。
大宅壮一文庫には廃刊した雑誌や、有名雑誌の創刊号などもあり、普通の図書館では出会えないお宝に出会うことができる。
(AbemaTV/原宿アベニューより)
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