5月28日、東京都渋谷区の東京体育館内の会議室で、女性対象の将棋大会が開催された。日本将棋連盟主催の「ショウギナデシコ2017」に約100人が参加し、日頃勉強した将棋の腕を競い合った。運営として参加した高橋和女流三段は「将棋ファンに女性が増えてとても華やかになってきた。女性は楽しみ方が上手」と活況ぶりを歓迎していた。
小学校1年生から大人まで、真剣な表情で盤に向かい、指す。広い会場に響くのは、持ち時間や秒読みを告げるチェスクロックの音だけだ。徐々にあちこちで対局が終わると、今度は対局者同士、にこやかな笑顔で感想戦が始まった。そんな様子を高橋女流三段は、うれしそうに見ていた。「大会は今年で3回目。なかなか女性が大会に出るというのはハードルが高いので、この大会がきっかけになってくれればと、なるべく敷居は低くしています」と語った。「将棋を指す方は5年前から増えてきた印象があります。女性は若い方が増えましたし、子どももとにかくすごい勢い。ネットでの中継が増えたり、スマートフォンの普及も大きな影響があったりすると思います」と、ブーム到来を肌で感じている。
将棋への接し方も、女性ならではだ。「男性の場合だと、将棋をしたら将棋だけ指して終わりという感じ。女性の場合は将棋を指して疲れたら、みんなでご飯を食べに行こうとか、研究するにしてもお集まりというか。遊びの部分がちゃんとあって、プラスアルファの楽しみ方が上手。『今日はこうだったね』とお話をするのが楽しいんですよ」と説明した。将棋自体は真剣に指すが、それもあくまで楽しむツールの1つ。各地でイベントが盛況な今の時代に合った楽しみ方と言える。
最近ではネット将棋で指す人が増え、盤駒に触れたことがないファンも増えているという。「女性の方で『わー、すごい!私、駒動かしちゃった』という人もいますよ。駒の並べ方を知らなかったり、持ち駒もバラバラだったり。ネット将棋みたいに勝手に並んでくれないですからね」と笑った。慣れない手つきで駒を持ちつつ、必死に指し、その体験を周りの人々と共有して楽しむ。将棋の輪は、女性の間でも確実に大きくなっている。
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