現地時間29日午前3時頃、アメリカ・フロリダ州のジュピターで車に乗っているところを逮捕されたタイガー・ウッズ。容疑は「DUI(Driving Under the Influence=アルコール又は何らかの薬物の影響下での運転)」。逮捕後に公開された写真には、スーパースターだった頃の面影は見られず、世界に大きな衝撃を与えた。
釈放されたウッズは「自らの行った事の重大性は理解していて、全面的な責任を負う。今回の逮捕は飲酒によるものではなく、処方された薬に予期しない強い反応が出てしまった事をみんなに知ってほしい」との声明を発表。飲酒運転疑惑を否定するとともに「家族や友人、ファンに心から謝罪したい」としている。30日、米メディアは警察による調書の内容として、逮捕時ウッズは運転席で眠っていたこと、逮捕後の検査でアルコールが検出されなかったことを報じている。
2009年にレイチェル・ウチテルさんとの不倫が発覚し、その後も、次々と愛人の存在が明らかになったウッズ。その数は19人とも言われている。
ウッズは『セックス依存症』に陥っていたと公表しており、治療のためにミシシッピ州の施設に入院したが、5カ月後には復帰。2012年には史上初となる生涯獲得賞金1億ドル突破を果たした。
ここ数年は腰の痛みに悩まされ、今年1月の大会は予選落ち。2月の大会では途中棄権を余儀なくされ、4月には手術を受けていたウッズ。それでも今月24日にはブログで「どんなに気分がいいか表現するのが難しいくらいだ。もう一度プロのゴルフがしたい」と、術後の回復が順調であることをアピール。そんな矢先の逮捕劇だった。
元世界ランキング1位、ゴルフ界のスーパースターに一体、何が起こったのだろうか。
ウッズを長年取材してきた在米ゴルフジャーナリストの舩越園子氏は「まず何よりも残念でならない。ファンの方も残念ということの前に、まず『なんで?どうして?』と思ったと思う」と話す。
「ゴルフは紳士のスポーツでもあるし、特にタイガーは今まで20年近くゴルフ界を率いてきた王者。それだけに模範となるべき行動を取らなければいけなかったと思う」(舩越氏)
舩越氏によると、ウッズは2014年に腰を痛めて以来、アスリートとしての活躍はほとんどない状態だったという。
舩越氏は「タイガーは王者としていつも毅然としていた。だからその分、ものすごい緊張感の中にいたことは確かだと思う。にもかかわらず、本当の意味で気を許せる人はとても少なかった。その孤独を何かで解消したいと思う部分もあったと思うし、大変だったんだろうなとか、色々あったんだろうなとは思うが、それでもやっぱりプロアスリートの世界では許されない」と無念さを滲ませた。(AbemaTV/AbemaPrimeより)