5月28日のパンクラス・ディファ有明大会で、朱里が女子ストロー級の初代チャンピオンとなった。
女子プロレスラーであると同時に格闘技でも活躍している朱里は、立ち技格闘技イベントKrushでも女子王座を獲得。そのタイトルを返上し、UFC参戦を目指してMMAに挑戦を始めると、パンクラスで連勝を飾っていた。
無敗でたどりついた今回のタイトルマッチ、その相手はブラジルのキンバリー・ノヴァス。UFC参戦を目指す以上、外国人相手にもきっちり勝っておく必要があるし、それができてこそチャンピオンの資格もあると言っていい。
試合を振り返ると、1ラウンド以外は朱里のペースだった。ケージに押し込まれる場面があったもののテイクダウンは許さず、的確にパンチをヒット。試合が進むと、自ら押し込んでヒザ蹴りをヒットさせていく。4ラウンドには、ジャッジの採点で10-8の大差がついた。
5分5ラウンドの長丁場を闘って、判定は3-0。朱里の完勝だ。これで朱里は立ち技のKrushに続きMMAでも王座獲得。しかもプロレスラーとしてセンダイガールズプロレスリングのタッグ王座も保持しており、プロレスと格闘技の同時戴冠も快挙と言える。
試合後、「UFCに参戦してチャンピオンになりたい」と語った朱里。まずは9月の開催が発表されたUFC日本大会に出場するという目標がある。今回のタイトル獲得は、その目標に大きく近づくものだ。
この大会では、男子のバンタム級タイトルマッチも。王者・石渡伸太郎がハファエル・シウバを下して防衛を果たした。
パンクラスで上田将勝、ビクター・ヘンリーに勝利している最強の挑戦者との闘いに、石渡も序盤は苦しむことになった。1ラウンドは組み技の展開で劣勢、2ラウンドもテイクダウンを許してしまった。
しかし3ラウンドから猛反撃。ヒザ蹴りをヒットさせてトップキープに成功すると、4ラウンドもスタンドで優位に。ハファエルは自ら引き込むこととなり、ジャッジの印象を悪くしてしまう。ポイントで互角の中、迎えた5ラウンドはテイクダウンを狙うハファエルとそれを阻止して反撃する石渡という白熱の攻防。最後は石渡がバックからパンチを見舞い、確実にポイントをとって試合終了となった。
判定勝ちを収めた石渡は、「国内外の関係者の皆様にひとつだけ。俺が第2代キング・オブ・パンクラシストの石渡伸太郎だ」とアピール。試合前に「この試合のレベルを見ろ」と語ったように、世界につながる闘いでその強さを証明してみせた。