真面目な人に怒られそうな団体ナンバー1こと東京女子プロレスが、6月4日に新宿FACEで大会を開催する。このところ常に満員、興行数も増える方向の東京女子プロレス。8月26日には今年2度目の後楽園ホール大会が決定しており、この新宿大会をいいステップにしたいところ。デビュー以来負けなしの王者・優宇と武者修行帰りの坂崎ユカによるTOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王座戦は注目の対決だ。
柔道、総合格闘技の技術を駆使する優宇と空中殺法が得意な“魔法少女”坂崎の闘いはハイレベルなものになることが予想されるが、一方で予想したくてもしようがない対戦も。
その一つが、滝川あずさvs伊藤麻希の“アイドル対決”だ。伊藤は福岡を拠点とするアイドルグループ・LinQのメンバーで、CDはエイベックスから発売。5月には福岡市民会館、さらにアイドルの聖地と言える中野サンプラザでのコンサートも成功させた。伊藤はメンバーでありながら宣伝部長としてチケットを500枚手売りする豪腕ぶりも見せている。
一方の滝川は、アナウンサーになりたくてプロレス界に身を投じたという経歴からして謎めいた存在。試合中にマイクを握り、自分の試合を実況することでもファンにはおなじみだ。
実はこの滝川、10年ほど前にAKB48劇場のカフェで働いていたことがあり、そののちに地下アイドルAime(エイム)としての活動も。ちなみに現在の年齢は「19歳と125ヶ月」とのこと。
シングル対決に向け、アイドルスマイル全開の滝川(左)と伊藤
伊藤との対戦が決まると、新宿大会でのAime復活を宣言した滝川は、5月31日の会見にもアイドル衣装で登場。自称アイドルオーラを全開にしつつ、伊藤を「顔が大きいからステージでも目立っていいですよね。私は顔が小さいからなぁ」とにこやかに毒を吐く。対する伊藤も「そのブサイクな顔が小さくて目立たないのはいいですよね」と返してみせた。
2人はともにシングルマッチ未勝利。この対戦で初勝利を挙げ「東京女子プロレスのレーベルからソロデビューしたい」と野望を語った伊藤(この団体に音楽レーベルはない)。滝川は「中野サンプラザはすぐに埋まるので、もうちょっと大きいパシフィコ横浜でライブがしたいです」と言う。このLinQ全体を敵に回すかのような発言に、伊藤は「中野を埋めるのメチャクチャ大変なんだぞ……試合で現実見せてやるよ」と険しい表情に。アップアップガールズ(プロレス)企画が発表された直後だけに、団体内での“アイドル戦国時代”は加熱しそうだ。
もう一つの予測不能マッチは、まなせゆうなvsのの子。まなせはプロレスと同時にグラビア活動も展開、のの子も芸能活動からプロレス入りしており、グラビアでもリングでもKカップのバストを武器にしている。
まなせの東京女子プロレス参戦を「キャラが被る」と敵視してきたのの子。ついに実現するシングル対決を前に要求したのが、グラビアアイドルの要とも言えるバストの数字が公式プロフィールと合っているかどうかを確認する「公開バスト測定」だった。
報道陣を前に公開計量ならぬ公開バスト測定。立会人・今成氏の目が輝く
5月31日の会見の場で行なわれた測定によると、まなせは公表値97cmに対し実際は100cm、のの子は公表値109cmに対し120cmと、ともに“成長”していることが判明した。プロフィールとは違う数字になったが「大きい分にはいい」と立会人の今成夢人氏(公認バスト測定師を名乗るDDT映像スタッフ)。しかし今成氏がウエストサイズの測定も求めると、なぜか両者とも頑なに拒否。「グラビアアイドルのウエストは62cmと決まっている」と口を揃える。結果、6.4新宿大会での対戦は、勝者だけがウエスト62cmを名乗ることができるウエスト62・コントラ・ウエスト62マッチに。
だから何なのかと言われれば答えに窮するほかないのだが、真面目な人を置き去りにすればするほど、目が離せなくなるのが東京女子プロレスという団体の特徴ではある。ヘソで茶を沸かすのは、意外と楽しい。
文・橋本宗洋