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 煎茶に番茶、抹茶など、数多くの種類が存在する日本のお茶。さまざまな種類がある中で、同じ原料の茶葉が、製造方法によって緑茶やウーロン茶、紅茶などに生まれ変わる。

 今、女性を中心に話題になっているのが「ほうじ茶」だ。最近は、ほうじ茶を使ったさまざまな商品も出回っているが、その人気は一体、どれほどなのか。

 ほうじ茶飲料市場の売上高水位(伊藤園調べ)を見ると、全メーカーのほうじ茶飲料の売り上げ金額の推移では、2005年の20億円から2008年には140億円と飛躍的に売り上げを伸ばし、その後も年々右肩上がりを続け、2016年には320億円も売り上げている。

 伊藤園の広報に話を聞くと、「ほうじ茶」人気の要因として「ストレスのない香ばしさを楽しめる」「強い味わいが苦手な方でも雑味が少ないやさしい味わい」「ミネラルウォーターなどへの物足りなさから」が挙がった。

 人気上昇中のほうじ茶だが、最近は関連商品も人気。スターバックスコーヒーで発売以来ヒットし続けているのが「ほうじ茶ティーラテ」(ショートサイズ・410円~)だ。ほうじ茶にシロップとミルクを加えて飲むという斬新なスタイルが話題になっている。

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 また、2016年3月にオープンした15種類ものお茶が味わえる専門店「茶CAFE竹若」では、充実したほうじ茶メニューが楽しめる。

 香ばしさが際立つ茎の部分だけを遠赤外線で焙煎したという「茎ほうじ茶」(650円)の他に、アイスクリームやゼリーにほうじ茶を使った「ほうじ茶パフェ」(980円)や香ばしいほうじ茶のシロップを幾重にも重ね、濃厚なほうじ茶入りのティラミスをのせた新感覚のかき氷「ほうじ茶ティラミス」(980円)など、スイーツも充実。また、このカフェではお酒好きにはたまらない、ほうじ茶をむぎ焼酎で割ったチューハイ「ほうじ茶ハイ」(730円)も飲むことが可能だ。

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 スイーツからお酒にまで広がり続ける「ほうじ茶」だが、その波はなんと、ラーメン店にまで押し寄せている。

 「MENSHO TOKYO」が「ラム豚骨ラーメン」(750円)に振りかけているのは、粉末状のほうじ茶。同店の店長に話を聞くと「(ほうじ茶が)ラム肉のくさみを隠すので、かなり相性が良い」と話す。ほうじ茶がラム肉の独特のにおいを抑え、スープをまろやかにしてくれるというのだ。

 他にも、ほうじ茶をイメージした香水「J-Scent『ほうじ茶』50ml 3500円(税別)」まで登場。これは、発売してわずか1週間で完売になったという。

 このようにさまざまな形でほうじ茶が人気となっているが、やはり身近に味わえるものといえば、本物のほうじ茶だろう。

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(「茶師十段」の大山拓郎さん)

 1970年創業の「しもきた茶苑大山」は、客足の絶えない街の人気店。扱っているお茶は180種類以上、どれもこの店を営む大山拓郎さん選りすぐりの素材ばかり。

 なんと大山さんは、現在日本に13人しか存在しない「茶師十段」という最高クラスの日本茶鑑定士に認定されている。そんなお茶のプロである大山さんに、おいしいお茶の淹れ方のポイントを教わった。

 「みなさんお茶を淹れるときに多くの方が『熱く淹れちゃダメでしょ』というお話をする。ただ、ほうじ茶は香りを楽しむお茶。お湯の温度が高ければ高いほど有利に働く」と語る大山さん。

 続けて「ただ、熱く淹れた方がお茶はおいしいのですが、淹れるお湯の温度と飲む温度は違います。そのお茶を召し上がるときに、例えば小さいお子さんに出すと火傷してしまう。なかなか難しいですね」と、子どもに飲んでもらう場合は、器を取り替えたり、氷を入れてあげるなどの工夫が必要だと語った。

 いくつか湯飲みを並べ、少しずつまんべんなくお茶を淹れていく大山さん。この少しずつ、かつまんべんなくお茶を淹れていく理由について、大山さんは「お茶を淹れるといいますが、湯飲みの中に流し出すわけではありません。大事なのは香りであったりとか、味であったりとか、それを湯飲みに運びます。そこには『おもてなし』があります。召し上がっていただく方に『こういう風に楽しんでもらいたいな』という“気持ち”も淹れています」と説明した。

 また、お茶を一気に淹れてしまうと、味に差が出ることもあり「濃度と量が均一になるようなことをもくろみながら、なおかつ熱いほうじ茶の特徴がしっかり出てくるように淹れています」とこだわりを語った。

 大山さんの淹れ方には「蒸らす時間」がほとんどない。これは「熱いお湯を使うことはお茶の特徴を強く出すことになります。その香りを楽しみつつ、あまりにも強い味にはしたくない」という理由があるのだという。

 食べ物から香水まで、さまざまな形で人気になっているほうじ茶。忙しいときこそ、お茶で一息ついてみてはいかがだろうか。(AbemaTV/『原宿アベニュー』より)

(C)AbemaTV

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