高騰を続けてきたウナギが、この夏、一斉に値下げに転じる可能性が出てきた。
最近ウナギといえば、消費者にとっては暗いニュースが続いていたが、ウナギ問屋直属の専門店「うなぎ松村」を取材すると、明るい変化の一端が見えてきた。うなぎ松村・2代目の松村宣明さんは「一時期は1キロ8000円ほどまでに上がったが、今の段階では4000円台まで回復している」と話す。取引価格が一番高かった約5年前の半分程度にまで下がっているという。
その背景にあるのが漁獲量の回復だ。近年、世界的に稚魚の不漁が続き、ウナギは高い価格で取引されてきた。しかし、日本鰻輸入組合によると、2016年12月の漁では3年ぶりに稚魚の漁獲量が回復。その稚魚が成長して市場に出回る7月ごろ、取引価格が落ち着く見込みだそうだ。松村さんは「これからウナギの稚魚が増えて少しでも安くなれば、みなさんに食べてもらえるように安くしていきたいと思っている」と話す。
ウナギの需要が爆発的に増える土用の丑の日に向けて、すでに値下げを検討しているスーパーもある。東京練馬区にあるスーパー「アキダイ」店長の秋葉弘道さんは、「おそらく1割から2割くらい前年度より安くなるのかなという期待はある」と話す。また、ウナギの値下げには稚魚の増加以外にもう1つ事情があるそうで、「かなり高値が続いて頭打ちになって食べる人が減っている。需要が減っているのでそういう要因もあり、ここで下がってくるだろう。食べるチャンス」と述べた。
さらに、今年はウナギを安く買える狙い目があり、それが10月や11月になるとのこと。台湾や中国産のウナギの稚魚も豊漁で、加工された商品が秋口以降に輸入されることでさらに値下げされる可能性があるという。
今年の土用の丑の日(7月25日、8月6日)には手が届く価格になるかもしれない。
(AbemaTV/『原宿アベニュー』より)
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