梅雨前線が北上し鹿児島県では雨が続いている。この先、九州では曇りや雨の日が続くことから、6月5日、気象庁は九州南部と山口県を含む九州北部で梅雨入りを発表した。南部は平年より6日遅い梅雨入り、北部は平年より1日遅い梅雨入りだ。関東甲信は平年より1日早い7日に梅雨入りした。
そもそも、なぜ「梅雨」と呼ぶのか。由来は、この時期ジメジメしてカビが生えることから、黴(バイ/カビ)に雨と書いた「黴雨(バイウ)」が、時間を経て「梅」の当て字に変化したと言われている。また、梅の実が熟す時期として梅雨と呼ばれるようになったという説もある。
梅雨は日本だけのものではない。中国語と韓国語にも梅雨を表す言葉があるように、東アジア特有の季節だ。これには“世界の屋根”といわれるヒマラヤ山脈が関係しているという。西から吹くジェット気流の偏西風が、ヒマラヤ山脈によって南と北に分断されると、ちょうど日本の北側にあるオホーツク海の上で合流し「オホーツク海高気圧」が出来る。一方、日本の南からは「太平洋高気圧」が北上してくるため、その2つが日本列島の上で衝突し梅雨前線が出来るのだ。2つの高気圧が均衡し押し合うことで、梅雨が長引くという。夏になって、暖かい太平洋高気圧がせり上がると梅雨は終わる。
さらに、梅雨のジメジメは私たちの体調にも影響を与える。その影響は東洋医学で湿邪(しつじゃ)と呼ばれている。東洋医学に詳しい千代田漢方内科クリニックの信川益明先生は、「湿邪とは、体の余分な水分によって体の不調が生じる症状。人が長時間湿度の高いところにいると発汗作用がうまくいかず、冷えという症状が起こることが考えられている」と説明する。湿邪の主な症状としては、体のだるさや頭痛、むくみ、眠気、胃もたれ・食欲不振などがあるという。
湿邪の対処法として信川先生は「体を冷やさないことが大切。例えば冷たいものを飲むことを控えたり、冷房の温度を下げ過ぎたりしないこと。同時に、半身浴などをして体の新陳代謝を高めることも重要」と述べた。また、雨が降っているときは、窓を閉め湿気を入れないことも体調に良いという。
(AbemaTV/『原宿アベニュー』より)
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