6月11日に開催される新日本プロレスの大阪城ホール大会では、IWGPヘビー級選手権でオカダ・カズチカvsケニー・オメガ、IWGPインターコンチネンタル選手権で内藤哲也vs棚橋弘至、さらにIWGPジュニアヘビー級選手権で高橋ヒロムvsKUSHIDAが行なわれる。
この3つのタイトルマッチは、1.4東京ドーム大会と同じ対戦カード。「この短期間でまたやるのか」という声もあるが、逆に言えば“ドーム級”のカードが大阪で見られるというわけだ。まして1.4ドームには行けなかったという関西のファンも多いはずだから、会場の熱気は相当なものになるだろう。
この大会で行なわれる、鈴木みのるvs後藤洋央紀もリマッチ。両者は4月27日の広島大会で対戦し、鈴木が王座奪取に成功している。
今回はランバージャック・デスマッチでの対戦だ。これは、リングを両陣営のセコンドが取り囲み、選手がリングから転落した場合は押し戻して再開するというルール。前回、鈴木軍の介入で敗れた後藤としては、リング上で完全決着を狙いたい。
しかし、ランバージャック戦ではリングから転落した選手にセコンドが攻撃を加えるのも常套手段。“無法合戦”となれば、鈴木軍が有利ではないか。
それ以上に後藤にとって脅威なのは、鈴木が持つ歴史かもしれない。鈴木は新日本でデビューし、UWFで格闘色の強いスタイルのファイトを展開。さらにパンクラスを旗揚げすると、総合格闘技そのものの闘いを確立している。
プロレスの世界に戻ってからも、新日本だけでなくノア、全日本で活躍している鈴木。さらにはDDTでの路上プロレスまで経験済みだ。つまりあらゆるスタイル、ルール、対戦相手に対応しつつ、その上で自分の個性と強さを貫き通すことができる。ランバージャック戦も、鈴木にとっては特別なものではないのかもしれない。
そんな、鈴木みのるの歴史からくる強さに、後藤は向かっていかなくてはいけない。その意味では、むしろ通常ルールより厄介な闘いだろう。試練を乗り越えての王座奪還を果たすことができるか。後藤にとって6.11大阪城ホール大会は正念場だ。
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