北朝鮮が6月8日朝、ミサイル数発を発射した。韓国軍によると今回のミサイルは弾道ミサイルではなく地対艦巡航ミサイルと推定され、午前6時18分ごろに発射されたということだ。
韓国メディアによると、4月15日に平壌で行われた軍事パレードに登場したミサイルの可能性があるという。北朝鮮は5月29日にも元山付近から精密誘導システムを導入した弾道ミサイルを発射しており、これで4週連続のミサイル発射となる。
一方、日本政府は「北朝鮮が発射したのは地対艦ミサイルで飛行距離が短く、日本の安全には影響がない」と分析している。防衛省幹部は、北朝鮮は国際社会の反発を最小限に抑えつつ能力を示したかったのではないか、とみている。
北朝鮮は2017年に入ってから9回弾道ミサイルを発射し、日本政府はその都度「国連安保理の決議に違反している」「断じて容認できない」と非難してきたが、今回は日本への影響がないことから北朝鮮への非難を行わず、菅官房長官の会見でも強い非難の言葉はなかった。
ただ、北朝鮮が毎週ミサイル発射を繰り返していることに変わりはなく、6月2日に採択された国連安保理の追加制裁決議に反発する姿勢を示していることから、今後も核実験のさらなる挑発行為が続く可能性があるとして警戒を続けている。
今回発射された地対艦巡航ミサイルについて、軍事アナリストの西村金一氏は「弾道ミサイルは放物線を描いて飛び、飛行距離は1000km~13000km。誘導は正確ではないが、核の搭載は可能。一方、巡航ミサイルは地形に沿って低空で飛行する。誘導が可能で目標に正確に当てることができるがスピードは遅いため、対空ミサイルに迎撃される恐れがあり核の搭載はできない」と説明する。
なぜ、今回の発射は地対艦巡航ミサイルだったのか。西村氏は「実は地対艦巡航ミサイルは年間10回ほど練習のために発射されている。今までは100kmほどしか飛ばなかったが、米韓日の地対艦巡航ミサイルに対抗するために射程距離を200kmまで届くものを開発している」と解説する。また、このタイミングでの発射に至った理由については、「アメリカの空母やイージス艦がなかなか離れていかないため、アメリカに対抗できるというシグナルを出したのでは」と分析した。
(AbemaTV/『原宿アベニュー』より)
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