先週の世界のリングではレジェンド・ファイター同士の戦いが大きな話題を呼んだ。エメリヤーエンコ・ヒョードル、ヴァンダレイ・シウバ、チェール・ソネンなどがベラトールのNYC大会のメインカードに登場、UFCでもBJペンがリングに上がった。
(ミノワマンこと美濃輪育久が14年ぶりにパンクラスのリングに復帰)
ペンこそ38歳と若干若いが、残りの選手たちは40歳。1週明けた7月2日、東京・ディファ有明で開催される総合格闘技「PANCRASE 287」(15時~AbemaTVで生中継)には、41歳のレジェンド、ミノワマンこと美濃輪育久が14年ぶりにパンクラスのリングに復帰し同年の近藤有己と対戦する。
ミノワと近藤、ともに日本のMMAを牽引して来た功労者。ともにパンクラスを主戦場に若き日を過ごし、ミノワはPRIDEやDREAMからプロレス、ROAD FCと様々なリングに上がり、一方の近藤はパンクラスからUFC、そして再びパンクラスへと帰還し現在に至るが、そんな2人が唯一対戦したのが、1997年8月9日、この時はアンクルホールドで近藤が勝利している。
最新の公式インタビューでミノワマンは「地球上が全て練習場」という、近年貫いている超人ギミックで現状を語りつつ「移動時間から立っている時間まで全ての時間がトレーニング」打撃に関しても日常からイメージしているという「格闘技のための動き」など独自のトレーニング論を展開。
その一方で、子どもが生まれ1年前から建築・リフォーム関係の仕事や塗装、解体業といった仕事をしていることを告白。しかし、仕事の中での所作の中にも格闘技の実戦に繋がるものを発見したと語った。
ミノワマンの最新の写真を見る限りでは、仕事を1年間やり同時に格闘技のことを考えてきた成果か、41歳とは思えない筋骨隆々のボディを見せているが、日常の動きが2年近く離れていた実戦にどれほどの影響を及ぼすかは気になるところだ。
ミノワのMMA参戦は2年ぶり、遡っても2015年のROAD FCでのキム・デソン戦での勝利はあるもの、直近の試合では負けが込んでいる、近藤も同じく2014年以降は9戦して4勝5敗ここ1年は3連敗と負けが続いている。
ミノワはこの近藤との対戦を敢えて「歴史」と表現した。ファイターとしての直近の戦績や年齢などそれらも超越した何かをレジェンドファイター2人が提供してくるに違いない。対戦相手の近藤に対してミノワ「勝とうが負けようが、100戦以上やって来られて、なお自分を追求し強くなろうとしているところは変わらないと」と賞賛した上で、「最高の歴史的試合、奇跡的な試合をしたいです。心が晴れ、動かされ、何かが変わるような試合」と意気込みを語った。
このタイミングでミノワ対近藤というカードが20年越しで、組まれたことには何か運命めいたものも感じられる。あの時とは全く違う今の2人の対戦がどのようになるか見届けたいと思う。