3日に投開票が行われた東京都議会議員選挙は、小池百合子都知事が率いる都民ファーストの会と、公明党などを加えた"小池勢力"が過半数を確保、自民党は大敗を喫した。AbemaTVの開票特番『みのもんたのよるバズ!』に生中継で出演した小池氏は「これからどこまで伸ばせるのか分からないが、当たり前の都政を都民が取り返す、その瞬間だと思っている。これから続々とニュースが来るようでございますので、まずは皆さんにご理解頂いたことをうれしく思っている」とコメントした。
司会のみのもんた氏に「都民のために何をやってもらえるか」と尋ねられた小池氏は「まず、約束をした情報公開の徹底。さらに待機児童問題に取り組んできた。それをワーママの方々に実感して頂けるようにしたい。新しい定義に変わって、待機児童の数字は増えたりしているが、働くお母さんからすれば、『定義なんてどうでもいいから、私と子どもをどうしてくれるの』ということだと思う。保育園に入るために何月に妊娠した方がいいかとか、そこまで考えている国なんてないと思う」と子育て支援の充実に言及した。
こうした施策を進める上で女性の力を活かしたいとした小池氏。暴言・暴行問題を起こした女性国会議員を意識しつつ、「今回、スキルを持った女性の候補者をたくさん擁立した。暴行、暴言はないと思う。私はやはり、政治を変えるのは女性だと思っている。そういう候補者を選んだ。このことは都政を変える大きな原動力になる」とコメントした。
国会では自民党と連立与党を組んでいる公明党との協力体制の今後については「今回の選挙においても、お互いに推薦をしあって、この成果を出すことができた。私が知事になって、改革の姿勢、分かりやすく言えば知事の報酬を半分にカットした。これについて議会側も改革をしないといけないのではないかと。真っ先に改革の姿勢に共鳴してくれたのが、公明党だった」と、今後も良好な関係を構築し、都政に当たることをアピールした。
■小池氏の記者会見概要
今回の選挙、都民ファーストの会として第1党の座を確保することができた。『古い議会を新しく』を標榜させて頂いて、新人候補、都議会、区議会などを経験した議員など様々な新しい顔ぶれで戦った。都民の皆さま方から、改革への姿勢、東京大改革への期待、これを受けての結果だと考えている。ご支持頂いた、お支え頂いた都民の皆さま方のご理解とご協力に感謝をしたい。そして今回の都議選は、やはり都民目線で都政を1つ1つ語ったということに尽きると思う。400近い項目をあげて、1つ1つの政策を、都民の皆さま方に近い政策をあげての戦いだった。
今回の都民ファーストの会の候補者の方々、特にこれまで全く政治経験のない方々には、医師、弁護士、公認会計士、税理士など、それぞれ専門性を持った方々がたくさんいる。多くが希望の塾で学び、そしてその後の候補者公募に手をあげた方々だ。そういった方々が議会に入ることによって、これまでにない都政の切り口を、議会から発信して頂けるものだと期待している。そしてまた東京大改革の一丁目一番地が情報公開にあると常々申し上げてきた。そのために必要な条例の改正、設置も行ってきた。これからの開かれた都政、開かれた議会、これによって都民の皆さまにより近い都政を展開していきたいと考えている。そして世界が激動している中で、世界の都市間競争で負けることのないように、スピード感を持って、都政を進めていく。
2020年の(オリンピック・パラリンピック)東京大会の準備も加速させていかなければならない。さらに豊洲移転、築地再開発という基本方針をどのようにして肉付けをし、現実に進めていくのか。都庁において関係局長会議をベースにしながら、着実に進めていく。当然、業者の方々のご理解を進める方策をしっかりととっていきたいと考えている。これから、見える化する都政によって、都民に近い都政を築くためにも、都民の代表である都議会、新しい皆さんに努力して頂く。都民ファーストの会の候補者を選んでよかったと、それぞれの地域で感じて頂けるように、それぞれ議員として選ばれた方々にはさらなる努力をして頂きたいと思っている。推薦、協力を頂いた公明党の皆さん、生活者ネットの皆さんとは、議会の中でさらに協力をして、都民の利益のために資するような都政を、確実にスピード感を持って進めていきたいと考えている。
待機児童対策を政策の柱に据えて取り組んできた。効果が出始めている所に新定義になって、数値でいうとむしろ(待機児童が)増えている所もあるが、待機児童対策は女性の力を生かす点でも大きなエネルギーになる。人口問題はどこにおいても、極めて重要な基盤だ。今後2025年に団塊の世代が後期高齢者になる時期を迎えるということは、明確な事実なので、そのためにもこれからの高齢者対策というものをしっかり行う。そういった中で空き家対策も必要になっていくと思う。昨日も北海道と熊本で強い地震が起こった。地域の皆さまにお見舞いを申し上げると同時に、首都直下型地震など災害について、強い東京にしていくためにも、これらのことを確実に前に進めていきたいと思う。スピード感を持って、改革の志を常に持ちながら、議会の皆さまとは協同して、歩調を取る時は取り、しっかりとチェックをする時はして頂くと。このことによって、新しい都政、新しい議会で新たな一歩を築いていきたいと思う。
ーー勝因について
『新しい議会を』という言葉が胸に響いたのではないかと思う。これまでは、このことを言っても何のことか分からなかったと思う。しかしながらこの1年間、東京都議会、東京都政に対して、皆さんの注目が集まった。いかに都政が大事かということに多くの方々が気づいた。これが最大のポイントだと思っている。関心を持って頂くことが、ますます都政を磨くことにつながり、都民の皆さまからお預かりしている税金の賢い使い方につながっていくと思っている。都民の皆さまのご判断には心から敬意を表したい。
ーー国政(自民党)への不満が追い風になったのか
その分析は自民党がされることだと思う。私どもはあくまでも都政に対しての真摯な政策と訴えに徹してきた。有権者の皆さまには色々な思いがあると思うが、それをしっかりと受け止める存在であったことは大変うれしく思う。知事選の時もそうだったが、途中で勢いを増すということはしばしばある。この4年間は東京にとって、極めて重要な4年間なので、これまでの延長線で歩むことは東京にとってよくないという思いで、101回、総理よりは100回ほど多いんですが、街頭演説でしっかりと回って、訴えをした。
ーー国政進出への期待について
私どもはあくまでも都民ファーストの会だ。都民のために最大の努力をする。都民の最大の利益を確保する。一部の業界団体ではなくて、都民全体の利益をどうやって確保するか、そのことについて私は都知事として、選ばれた議員の皆さまは新しい議員として、そのことを共通の目標として、やっていきたいと思っている。そういう中で、色々と国政においての問題が噴出したということだが、今回都議会の結果をご覧になって、そこをどうお考えになるのか、どう総点検されるのか、それは今後の自民党のお考えだと思っている。
(AbeamaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)