昨年12月のデビュー戦から29連勝の歴代最多連勝記録を樹立した将棋の最年少棋士・藤井聡太四段(14)。彼の名前をいち早く将棋界に知らしめたのが、詰将棋だ。今でもサインに自作の詰将棋を書く藤井四段だが、プロでも解けない問題が出される「詰将棋解答選手権」に小学2年生時に初出場すると、6年生時には史上初の「小学生優勝」を果たした。2017年の大会も制し、現在3連覇中だ。
出場経験がある中村太地六段(29)によれば「1問でも解ければアマチュア四段くらいの実力」だという。大会では前後半、5問ずつ出題されるが、今年の大会で藤井四段は前半5問をわずか24分、1問あたり5分弱で解いた。天才棋士が“超速”で解いた難問のうち、いくつかを確認してみた。
【問題1】
作者・上谷直希
発表場所・第14回詰将棋解答選手権チャンピオン戦
【問題2】
作者・武島広秋
発表場所・第14回詰将棋解答選手権チャンピオン戦
【問題3】
作者・大崎壮太郎
発表場所・第14回詰将棋解答選手権チャンピオン戦
なお、詰将棋解答選手権に参加するレベルであれば、1問目は「完全なサービス問題」だという。また、中村太地六段は「2問も解ければアマチュアではトップレベルになります。藤井さんは早すぎますね。おそらく見た瞬間、詰みの形が見えて、そこから具体的な手順を考えているのでは。そうでないと、あそこまで早く解けないので」と説明した。これらの問題、1問でも解けるようなことがあれば、周囲に自慢してよさそうだ。
◆詰将棋解答選手権 2004年か始まり今年で14回目。初級戦と一般戦があり、今年は全国16会場で開催された。解答選手権チャンピオン戦はアマとプロが同じ土俵で戦うことができる、貴重な場とされている。毎年の3月末に東京・大阪の2会場で同時に開催され、東西の成績を集計して順位が決まる。出題は1R・2R、各5題ずつで計10題。1題が10点で100点満点。同点の時は提出時間が早い方が上位となる。誤記はマイナス1点、冒頭から4手合っていると部分点が1点など、いろいろな細則がある。
(情報提供:詰将棋解答選手権実行委員会)