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 「面白法人カヤック」は、WEB広告ゲームを中心とした“面白い”を作るクリエイター集団だ。クリエイティブを生み出す会社にある“働くことが楽しくなる”制度やヒントとは。7日夜放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、カヤックの働き方の魅力に迫った。

■「サイコロ」「面白さ」で変動する給料

 カヤック編集部・人事部の三好晃一さんは、「給料を決めるサイコロがある。給料の1%×サイコロの数字で、3が出たら3%プラスでくれる制度」と、ユニークな給与制度について説明する。この「サイコロ給」は、給料の仕組みにも遊びがあっていいはず、という考えから始まった制度だ。毎月社員全員がサイコロを振り、基本給×サイコロで出た目(%)が給料に上乗せされる。

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 もうひとつ変わった給料制度が「月給ランキング」。こちらは半年に1回開催され、社員全員が社長になったつもりで、自分と同じチームのメンバーを15段階で評価するもの。評価基準は会社の利益とは関係なく、自分が相手を「面白い」と思うかどうか。周りの社員による評価が給料に直接反映される。三好さんが「ダメなやつでも、こいつすごいなっていう時は評価が上がる」と話すように、結果だけではなく、純粋に“面白い”と判断されれば評価が得られる。

 そういったシステムがあるからこそ、カヤックには様々なジャンルの面白い人材が集まってくる。

■葬儀業界13年の経験をカヤックで拡散

 技術部・人事部の亀田京介さんは今から6年前、時代を先取りするあるアプリを手がけていた。それが「うんこ演算」。亀田さんは「小学生が大好きなパワーワードである『うんこ』を用いて楽しく算数を学べる学習アプリ」と説明する。現在、小学生を中心に大人気の「うんこドリル」と同じ発想を6年前に考え、アプリとして開発していた。

 企画部・ディレクターの馬場翔一郎さんは、カヤックの子会社として葬儀会社を立ち上げた。馬場さんは「今まで13年間葬儀業界にいた。その中で、お客様の満足度が1番高かったのが自宅葬という形。今、家族葬といって家族だけの葬儀が増えていて、6畳1間のスペースの中で葬儀をコンパクトにするやり方が結構いいのかなと思っていた。自分の力で広めるよりもどこか拡散力のある会社で、とその時に頭によぎったのがカヤック。柳澤社長に直接企画を持ち込んで、柳澤社長が『おもしろい!』って言ってくれた。その1時間の中で『鎌倉自宅葬儀社』にしようって名前まで決まった」と話す。

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 鎌倉自宅葬儀社は、自宅での葬儀に特化した葬儀社で、持ち家率が高い鎌倉に拠点を置いている。葬儀の内容もユニークで、故人の誕生日が近かったため、通夜の日取りを誕生日まで延期し、通夜当日にバースデーケーキをサプライズで登場させたこともある。「誕生日会などのお祝いをする会を大事にするご家族だった。1週間の中で関係値を作っていって、これだったら大丈夫だなと思って、その時にケーキを出した。そうしたら、もう皆さん号泣だった。自宅葬とか時間をかけてやる葬儀っていうので利点が合う」と、馬場さんは語った。

■常見氏「面白そうに見えて合理的」

 カヤックは今まで、他の企業にはないユニークな採用方法を成功させてきた。

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 その1つが“いちゲー採用”だ。ゲーは「ゲーム」のことで、例えばプレイステーション4のプラチナトロフィーを持っていれば1次選考が免除される。三好さんは「プラチナトロフィーを持っている人が社員にもそんなにいなかった。そのうちの1人が『これ持ってたら1次選考ぐらい免除でいいんじゃないの』っていうことで。(いちゲー採用では)実際に2人入ることになっていて、あと4人内定の人がいる」と話す。

 他には“エゴサーチ採用”というものがある。三好さんは「本人がグーグルの検索で1位になるワードで応募してもらう。WEBで情報発信している人は、履歴書を書かなくても検索結果を僕らが見れば分かるかなと思った。検索ワードだけ送ってもらって、僕が検索する」と手順を明かした。

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 千葉商科大学専任講師の常見陽平氏は、「面白そうに見えて、合理的なことをやっているのがポイント。人材マネジメントは、経営目標達成のために行われる。面白いということを企業の生命線にしているならば、そういう人を採るということで、合理的なことをやっている。サイコロ給はゲーム性があり、凄くやる気が上がるわけでも下がるわけでもないが、面白みがある。いちゲー採用も、地頭の良さが問われるようなゲームが多い」と分析する。さらに、「採用活動の広報ツール化において、まさにカヤックさんは採用活動が話題になる企業のはしりだったと思う。昔から採用活動は大手含めて話題になっていたが、採りたい人材に届くように設計されていると感じた」と、評価した。

 また、ユニークな活動を株主にどう理解してもらっているか、という質問に三好さんは、「株主のことも“面白株主”と勝手に思っている。もちろん、株主が求める経営に対する約束は守るようにするが、会社の理念が“つくる人を増やす”なので、採用の時もつくることが好きになるようにしたいと思っている。(株を)買ってもらう時の気持ちとして、そういうことに共感してくれる人は買ってくださいね、と」と答えた。株主総会では、カヤックがどうすれば良くなるかのアイデア出しを、株主も交えて行っているという。

■働き方に関する新たな取り組み

 鎌倉市に本社を移転したカヤックでは新たな取り組みを始めている。ミーティング中の広報・加勇田雄介さんに話を聞くと、「満員電車回避制度を立ち上げているが、それをJINS MEMEを使って効果検証していきたいと思っている。それで、JINSさんにもお越し頂いてミーティングをしている」と説明してくれた。JINS MEMEは、スマホと連動させてまばたきの回数や間隔などを計測し、集中力しているかどうかを数字で計測できるもの。満員電車のストレスによる集中力の欠乏をこれから実証していくという。

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 それを踏まえ、職住近接を推進するため鎌倉周辺の物件を紹介する「稲村ケ崎R不動産」もすでに設立済みだ。埼玉から鎌倉に移住した企画部・ディレクターの中邑優太さんは「賃貸から家を買ってしまった。鎌倉市内に住むと39(サンキュー)で3万9千円くらい補助が出るので、もとの家賃より少ない額でローン返済しながら大きい家に住めている。朝の余裕ができるので、コーヒー飲んだりとかちょっと仕事の作業を早めにやったりとか、あとはゲームが大好きなのでゲームをやってたりと、朝活がはかどっている」と満足度の高さを話した。

 他にもユニークな企画が目白押しのカヤック。次はどのような“面白”企画が出てくるのか?

(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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