7月15日韓国ソウルで開催された総合格闘技「ROAD FC 040」(7月20日(木)21:00~AbemaTVで再放送)のメインイベントでROAD FC無差別級王者、マイティー・モーが元レスリング韓国代表カン・ドングクを撃破し「ROAD FC」6連勝。日本のK-1で一世を風靡した豪腕サモアンフックはお隣韓国の地で、健在どころかキャリア最高の勝率をキープし続けている。
対戦相手のカンは4年ぶりのMMA2戦目、元レスリング韓国代表で43歳ということから下馬評から苦戦は予想されていたが、対する王者のマイティー・モーも46歳。もはや旬をすぎた対決と言わざるをえない。
試合はまともに打ち合うよりもカンがいかにマイティー・モーの豪腕を被弾しないかが大きなテーマだった。序盤から軽快なステップでサークリングしながら時折打ち合い逃げまどうという、カンの鬼ごっこのような戦法、一方のマイティーも大ぶりで1発を狙う余り大ぶりになりがちだ。
1ラウンド中盤にハーブ・ディーン・レフェリーがカンの消極性に対し警告を出すが、「貰うと終わり」という展開でもはや「逃げ」という選択肢しか考えられない。
なかなか1発が当たらない展開だが、そんな中でもマイティーはハイキックやローといった蹴りを交えたりと器用な戦いの一端を見せる。ときおりカンがレスリング仕込みのタックルを見せるが、いとも簡単に切ってみせ、テイクダウンやパウンドの技術も高い。
なんとか1ラウンドを凌いだカン、2ラウンドは狙いすましたように両者が拳を交わす展開に、すでに両者の息も切れ始め大味な打ち合いも、燃料切れで崩れたカンに覆いかぶさる形でマウントポジションについたマイティーの長いパウンドの嵐を被弾したカンにレフェリーが2R、2分25秒ストップを宣告。この試合もマイティー・モーの完勝で終わった。
日本のファンにとってはゲーリー・グッドリッジ、マーク・ハントと並ぶ豪腕として認知されている彼だが、k-1やMMAの戦績は決して良いものではなかった。強豪とのマッチメイクが多かったのも原因だがキックボクシングの戦績では大きく負け越し2010年代になると8連敗を経験している。
MMAへの参戦については2007年、桜庭とホイス・グレイシーが再戦した「Dynamite!! USA」がデビュー戦だった。その後UFCに次ぐアメリカのMMA団体Bellatorに参戦、トップ選手に挑むも、勝ちきれない日々が続いた。
現在の「ROAD FC」には2015年秋から参戦の間にチェ・ホンマンを含む韓国人選手4人とブラジル人選手1人を撃破して来た。彼のキャリアの中で6連勝というのは、強い印象を植え付けたK-1時代も含め始めてのことだ。
46歳、ラウンドが進む毎に息もあがりパンチの精度も落ちる、そんなマイティー・モーだが、試合毎に新たな技術を身につけMMA仕様となった今が最も勝てている・・・そんな意外な事実も踏まえて見てみると、勇気を貰えるのではないだろうか。