現在、連日のように熱戦が繰り広げられている新日本プロレスの真夏の祭典「G1クライマックス」。2007年、2015年の覇者であり、今年で16年連続16回目のG1出場となる棚橋弘至は、7月23日に行われたAブロックの第3戦で永田裕志を下し、2勝目を挙げた。
この永田からの勝利で、棚橋はG1通算勝利数を66勝とし、天山広吉が持つG1通算最多勝利記録に並ぶこととなった。これ以外にも偉大な記録を持ち、記憶に残る名場面を紡いできた「100年に1人の逸材」棚橋の激闘の数々を特別編集した「新日本プロレス 2012.1.4~2015.8.14 棚橋弘至 一挙放送」(7月27日(木)14:59~、28日(金)15:03~ AbemaTV)が放送される。
2011年1月4日の「レッスルキングダムV in 東京ドーム」で小島聡を破り、IWGP王座5度目の戴冠を果たした棚橋は以後、破竹の快進撃で防衛ロードをばく進し、防衛戦ではクオリティの高い試合内容で観衆を魅了していた。
それまで最多記録を保持していた永田に並ぶ10度の防衛に成功した棚橋は、2012年1月4日の「レッスルキングダムVI in 東京ドーム」のメインイベントで「新日本侵略」を目論む鈴木みのるを撃破し、IWGPヘビー級王座最多防衛記録となるV11を達成した。
■新日本のドル箱カードとなったオカダ・カズチカとの闘い
試合後、棚橋の前には、この日凱旋帰国を果たしたオカダ・カズチカが次期挑戦者として名乗りを上げたが、棚橋は「言っておくがな、IWGPは遠いぞ。それでもやるか? どうだ?」と観客に尋ねると、大ブーイングが起こり、オカダに対し、「100年早い!」「顔じゃない!」「誰だお前は?」と辛らつな野次も飛んだ。
「挑戦したいなら力で上がってこい!」とオカダを一蹴した棚橋は、ファンの声援に応えエアギターを披露。最後は「東京ドームの皆さん、愛してまーす!」で締めくくった。現IWGPヘビー級王者であり、現在では新日本プロレスのみならずマット界を代表する存在となったオカダだが、まだこの時点では観客の支持を得ておらず、棚橋が貫禄を見せつけた形となった。
それから約1か月後の「THE NEW BEGINNING」にてオカダに敗れ、約1年間保持し続けたIWGPのベルトを明け渡した棚橋だが、「DOMINION6.16」でのオカダとの再戦で勝利を収め同王座に返り咲くことに成功。このIWGP王座奪還を果たしたオカダ戦は2012年のプロレス大賞年間最高試合賞を受賞し、棚橋とオカダとの対戦は新日本のドル箱カードとなった。
■現在WWEで活躍するフィン・ベイラー、中邑真輔、AJスタイルズとの闘い
2013年には、現在WWEでフィン・ベイラーのリングネームで活躍しているプリンス・デヴィット率いるBULLET CLUBとの遺恨が勃発。二人の抗争はランバージャック・デスマッチまで発展した。
2014年の前半は、永遠のライバルである中邑真輔とIWGPインターコンチネンタル王座を巡る闘いを繰り広げ、その後は柴田勝頼とのイデオロギー闘争を勃発させた棚橋だったが、柴田との遺恨に終止符を打つと、10月13日、「KING OF PRO-WRESTLING」にて保持するAJスタイルズから指名を受ける形でIWGP王座に挑戦。勝利を収めた棚橋は、IWGP王座史上最多となる7度目の戴冠を果たした。
2015年1月4日の「レッスルキングダム 9 in 東京ドーム」でオカダを下し、IWGP王座を防衛した棚橋だったが、2月11日、「THE NEW BEGINNING in OSAKA」にてAJに敗戦し、IWGP王座から陥落。同年8月14日に両国国技館で行われた「G1クライマックス25」のAブロック最終公式戦で対戦した棚橋とAJの現時点の最後の試合は、技を読み合い、お互いの得意技を仕掛け合う名勝負となった。
長年、「エース」として新日本プロレスを守り続けてきた棚橋の激闘の数々を今こそ、目に焼き付けておきたい。
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