(「勝ってRIZINを盛り上げたい」と矢地。すでに主力選手としての自負を抱いている)
RENAをはじめ女子ファイターの注目度も高いRIZINにあって、男子のスター候補の一人といえば、矢地祐介だろう。
これまで修斗、PXCなどで活躍してきた矢地だが、RIZIN参戦でその魅力が一気に開花した感がある。昨年末の初参戦、そして4月のダロン・クルックシャンク戦と連続KO。明るいキャラクターは大舞台に似合っている。本人も「試合にしても取材にしても、注目してもらえて本当に楽しい。(RIZINは)水が合いますね」とやりがいを感じているようだ。
7月30日のRIZINさいたまスーパーアリーナ大会で対戦するのは、ベテランの北岡悟。パンクラス、戦極、DEEPと修羅場をくぐってきた日本トップの強豪だ。昨年はダロン・クルックシャンクに劇的な一本勝ちを収めており、矢地とは“RIZINライト級トップ対決”といえる顔合わせになる。
矢地にとっては、キャリアで上回る相手との対戦。「新世代と旧世代の闘い」だと考えているという。北岡のことはリスペクトしているが「昔の選手がいつまでもトップにいたら面白くない」。
スタンドでのKOを狙う矢地に対し、北岡はしつこいテイクダウンとグラウンドが強み。試合は間違いなく持ち味の潰し合いになる。それだけに、敗れた選手には“完敗”のイメージがつく可能性がある残酷なマッチメイクだ。
RIZINという新しいイベントには、新しいスターの台頭が不可欠。しかしそれは、試練を乗り越えてこそ実現するもの。矢地がRIZINのエースに名乗りをあげるか、北岡が意地を見せるか。大会屈指の好カードと言えるだろう。
文・橋本宗洋