7.30RIZIN(さいたまスーパーアリーナ)の注目カードの一つ、真珠・野沢オークライヤーvsシーナ・スターは、タレント・野沢直子の娘である真珠が1ラウンド勝利を収めた。
(マウントからパンチ、ヒジを連打していった真珠。思い切りのよさが目立った)
幼少時から学んできた空手がベースの真珠は、序盤から鋭いストレートでシーナを圧倒。バックを奪ってグラウンドに持ち込むとマウントポジションに移行し、パンチ、ヒジを連打していく。
そこから、自分のスネで相手の首を抑えつけるゴゴプラッタを仕掛けつつ、逃げようとするシーナを腕ひしぎ十字固めで仕留めた真珠。「スタンドでフィニッシュしたい」という戦前のプランとは違ったものの、鮮やかな勝利だった。
(試合後はリングサイドの母のもとへ。中継でも大フィーチャーされた)
真珠はこれがデビュー戦であり、しばらくは話題先行型として見られるだろう。ただ、いきなりの大舞台で打撃、テイクダウン、サブミッションを次々と繰り出したのは、入場時の雰囲気も含め“大物感”がある。地上波中継では、リングサイドで見つめる母・野沢直子の姿がワイプで写りっぱなしになってもいた。勝って親子で涙を見せる姿はいかにもテレビ的だし、「有名人の娘だからって」と思う人間でも、それが野沢直子なら何か許してしまいたくなるのではないか(特にアラフォー以上は)。
今回の試合でダメージがなかったことから、真珠は10月15日の福岡大会にも出場するプランがあるという。野沢直子&真珠の“親子劇場”は、今後RIZIN名物になっていくかもしれない。そうしているうちに、実力が話題性に追いつき、いつか追い越す可能性だってあるのだ。
(メインでは堀口恭司が所英男を圧巻のKO)
また、この大会のメインでは、バンタム級GP1回戦で堀口恭司が所英男をKO。矢地祐介も北岡悟を倒し、18歳の“神童”那須川天心はミックスルールで才賀紀左衛門を見事なワンツーで完全KOに下している。
若い世代が次々と存在感を示すのがRIZIN最大の魅力。彼らの顔と名前が、今以上に世間に知れ渡った時、日本格闘技界は新たな黄金時代を迎えるだろう。
文・橋本宗洋