堀江貴文氏が創業した国内の宇宙開発ベンチャー・インターステラテクノロジズ(IST)が7月30日、“ホリエモンロケット”こと「MOMO」初号機を打ち上げたが失敗に終わった。公式TwitterやFacebookによると、機体の姿勢や位置、速度などの情報を地上の管制室に送るテレメトリの通信が途絶したため、離床から約66秒後にエンジン緊急停止コマンドを送信。北海道大樹町の沖合約6.5kmの警戒区域内に着水したとみられ、目標の高度100kmに到達することはできなかった。

 日本の民間企業単独のロケット発射は、ホリエモンロケットが初の試み。科学ジャーナリストの寺門和夫氏は、「将来、日本で民間の企業が衛星や人間を打ち上げる宇宙ビジネスをしていく計画の本当の第一歩。日本としては画期的なこと。日本の宇宙開発の歴史の中で1つの大きな出来事となる」と、その重要性を説明する。

 寺門氏によると、世界各国で民間企業による宇宙開発が進められているなか、日本は出遅れているという。「世界各国で小さいロケット、人工衛星を打ち上げるというビジネスを展開する会社がいっぱい出てきている。1番盛んなのはアメリカ、それからヨーロッパで、中国にもベンチャーが出現している。そういった世界の流れから日本はちょっと遅れている」と話した。

 また、いまの日本の主力ロケット「H-IIAロケット」は1回打ち上げるのに60~70億円の費用がかかるため、安価で打ち上げられる小型ロケットの開発が求められているという。寺門氏は「1億円くらいで人工衛星作って打ち上げて、宇宙空間から地球を観測して、それを自分のビジネスに使うとか、そういったことが将来可能になるかもしれない。今までは、どうせ日本ではできないよとみんなが思っていたが、インターステラテクノロジズという会社とホリエモンが実際にやった。海外では進んでしまっているが、日本でもやらないといけないんだから、ゼロからやろうという試み(が大事)」と評価した。

 さらに、宇宙ビジネスの可能性については、「民間の場合には、まず目指すのは地球を回る軌道。ここに人工衛星を打ち上げる。最終的には我々がビジネスや旅行に行くかもしれない。例えば、ホテルを作るのにも色々なビジネスが必要。建物、食事、そこでシャワーを浴びる時にどうするなど、色々なことが考えられる。日常生活で今やっていることは全て宇宙空間で必要になってくる。そうすると、ロケット、人工衛星を作る会社だけではなくて、食品メーカー、飲料水、洋服を作っているメーカー、すべて宇宙でビジネスできる可能性がある」と話した。

 今回、ロケット発射は失敗に終わったが、寺門氏は「このロケットのチャレンジの価値が下がることはない。自分たちでロケットを作って、自分たちで打ち上げようという最初の試みだ」と、改めて評価した。

AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)

(C)AbemaTV

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