連日、多くの人が訪れる大人気スポットが、上野の国立科学博物館で行われている特別展「深海2017」だ。4年前に行われた同展には60万人が訪れた。展示作品には、深海生物の中でも比較的知名度が高いチョウチンアンコウの標本をはじめ、刺激を受けると光を発するクロカムリクラゲのような珍しい深海生物もいる。
深海の巨大生物ダイオウイカも、標本を縦に展示することでより迫力のある展示になっている。また、最大で50cmを超えると言われているダイオウグソクムシ、成長すると全長7mにもなるオンデンザメの標本など、同展でしか見られない深海生物の貴重な標本が展示されている。
なぜここまで深海生物が人気なのか。ここ数年、日本各地の海で深海生物の発見が伝えられ、長崎市では幻の深海生物と言われるリュウグウノツカイが発見されるなど、深海生物が一躍脚光を浴び現在の人気につながった。
さらに、子連れの家族や若い女性の来客者が目立つなど、深海生物の人気に変化が起きているという。
■ココリコ・田中直樹が監修した生物館
そんななか、静岡県沼津市戸田(へだ)にある駿河湾深海生物館がリニューアルオープンを迎えた。リニューアルに際して監修を依頼された1人が、生き物好きで知られるお笑いコンビ・ココリコの田中直樹だ。
リニューアルした生物館には、駿河湾に生息する深海生物約100点が展示されている。駿河湾の海底をイメージしたジオラマには、戸田の名物でもある深海に生息する世界一大きなカニ・タカアシガニが展示されているほか、“戸田でおいしい深海魚”のコーナーにはアカザエビやアカムツ、全国でも常設展示は珍しいソコボウズの標本も展示されている。
そして、田中が一押しする深海サメのコーナーでは、体長1mほどの細長い体で大きな目が特徴のヨロイザメや、長い尾びれと羽のような胸ビレで空を飛んでいるかのように見えるアカギンザメ、シンゴジラのモデルの1つにもなったと言われている生きる化石ラブカなど、珍しい深海サメを見ることができる。
田中は深海生物の魅力を「生きていく上での工夫とか進化、そういった特徴を1種類、1種類、細かく見ていってもらえれば非常に楽しいと思う」と話した。ちなみに、お気に入りは、20cmほどの世界最小のサメ・ツラナガコビトザメだという。
■日本で唯一シーラカンスの冷凍標本を展示
沼津港深海水族館は、深海生物を生きたまま展示している世界でも珍しい水族館だ。駿河湾の水深300m付近を再現した巨大水槽には、実際に駿河湾で捕獲された生物が飼育されている。ダイオウグソクムシも、ここでは生きている姿を見ることができる。ダイオウグソクムシは成長すると、全長50cmにもなる世界最大級のダンゴムシの仲間で、メキシコ湾などに生息している。さらに、沼津港深海水族館では日本で唯一シーラカンスの冷凍標本を見ることも可能だ。
いま、このような深海生物に惹かれる“深海女子”が急増しているという。深海生物の魅力について彼女たちに話を聞くと、「気持ち悪い、カワイイ!みたいな」「グロテスクな部分も含めて深海の美しさだと思うので、人間たちが普段見られない不思議さが余計すごい。何度見ても飽きない」と、興奮気味に語ってくれた。
沼津港深海水族館の石垣幸二館長は、「生態が一切分からない生物が多い。世界中で毎週のように新種が発見される」と、深海生物の魅力について話した。
(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)
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