世の中の女子は“ギャップ萌え”というものをするらしい。一見クールに見える男が、実は甘えん坊だった。普段はガサツなのに、意外と真面目だった——。そんなふうに、ひとりの人間の中にある二面性にひかれるという。
そんな“ギャップ萌え”好きの女子にオススメしたい男子が、日本最高峰フットサルリーグ・Fリーグにいる。原辰介。昨シーズン準優勝した強豪チームのペスカドーラ町田に所属する23歳だ。
顔はイケメン、プレーは泥臭い——。原のことをひと言で表すなら、こうなるだろうか。
2015年に行われたFリーグイケメン選手権にもノミネートされ、今年の5月には女性ファッション誌「CanCam」にも取り上げられた。正統派のイケメンだが、笑顔が「かわいい」と女性ファンの心をつかんでいる。Fリーグでプレーしながら、法政大学大学院のスポーツ健康学研究科に通う、現役大学院生でもある。
そんな頭脳明晰なイケメンが、ピッチに立つとガラリと変わる。
相手がボールを持っているときは、猛烈な勢いで距離を詰めて、ボールを奪い取りにいく。町田の高い位置からのプレッシングは、原のところからスタートするといっても過言ではない。
自分たちの攻撃になったときは、常に足を止めることなく動き回り、パス回しを円滑にする。得意なゴールパターンは長い距離を駆け上がって、ゴール前に走り込んで味方からのパスに合わせるもの。
攻撃でも守備でも「華麗」とは無縁のプレースタイルだが、そんな泥臭さが原の真骨頂といっていい。元日本代表キャプテンで、AbemaTVのFリーグ放送で解説者を務める北原亘氏もこのようなところを高く評価する。
「自分が何をやるべきかというのをわかっている選手だと思います。4人が連動したパス回しにも参加できますし、守備に回った時は高い位置からプレスをかけていける。どちらかというと、黒子的存在ではあるけれど、そういうところが評価されて、日本代表にも選ばれているんじゃないでしょうか」
Fリーグ屈指のスター軍団・町田には、ゴールを決める個の力を持った選手が何人もいる。
金髪がトレードマークで“キング・オブ・Fリーグ”の異名を持つ森岡薫、日本代表戦で決めたヒールリフトゴールが世界中で話題になった“トリックスター”室田祐希、Fリーグ初代得点王に輝いた“弾丸シューター”の横江怜……。
スター選手がたくさんいる中で、自分が何をすればチームがもっともうまくいくか。23歳と若いにもかかわらず、自分の役割を考えてプレーしているからこそ、町田でがっちりとポジションをつかんでいるのだろう。
昨シーズン、プレーオフでFinalラウンドまで勝ち上がった準優勝チーム・町田だが、今シーズンはまだ波に乗り切れていない。ここまで8試合で4勝1分3敗、12チーム中6位に甘んじている。
それだけに、町田にとって8月5・6日に町田市立総合体育館で行われる、Fリーグ共同開催の持つ意味は大きい。5日のバサジィ大分戦、6日の府中アスレティックFC戦で2連勝できれば、一気に上位への道が開けてくるだろう。
女性誌でも取り上げられるルックスを持ちながら、攻撃でも守備でも常に戦い続ける“イケメン・ハードワーカー”。試合会場、あるいはFリーグを無料で見られるAbemaTVで原辰介の“ギャップ”をぜひ楽しんでもらいたい。
Fリーグ第9節は5日13時15分から、第10節は6日11時45分からAbemaTVのSPORTSチャンネルで生中継される。
文・北健一郎(futsalEDGE編集長)