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 朝鮮中央通信が9日、朝鮮人民軍戦略軍の司令官が明らかにした、グアム周辺へのミサイル発射計画の内容を伝えた。司令官は「中距離弾道ミサイル『火星12』の4発同時発射で、日本の島根・広島・高知の上空を通過し、グアム島周辺30~40kmの海上に着弾する」と計画を明かしたという。また、「グアム島包囲射撃計画を今月中旬までに完成。金委員長に報告し、発射待機態勢で命令を待つ」としている。

 挑発を続ける北朝鮮に対して、アメリカのマティス国防長官は「北朝鮮は体制の終わりや国民の破滅につながる行動の検討をやめるべきだ。アメリカと同盟国には、世界で最も正確で強固な防衛と攻撃の能力がある」と警告。これまで、外交による解決姿勢を強調していたマティス長官だが、今回は踏み込んだ言葉で強い態度を示した。さらに、トランプ大統領はTwitterに「現在のアメリカの核戦力は過去最強だ」と投稿し、核兵器使用の可能性もちらつかせ圧力をかけている。

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 日本では、衆議院の安全保障委員会で、野党側が中国・四国地方の弾道ミサイル防衛の体制を問いただした。小野寺防衛大臣は、「安全保障上様々な情報収集をするなかで、総合的にどこに重層的に対応すべきか不断の努力で対応していきたいと思うし、様々な対応をこれからもしっかりとしていきたいと思っている」とコメント。また、一義的には海上自衛隊のイージス艦で防御するとも述べたうえで、イージス艦が打ち漏らした場合に対応する地上配備型の迎撃ミサイル「PAC3」は、全国配備に向け予算措置を進める意向を示した。

 緊張が高まる米朝の“チキンゲーム”に関して、ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏は、10日の『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)で「ハーフフェイクニュースが最も危険」と注意を促した。

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 「アメリカのハフポスト本社から昨日夜メールが来た」と話す竹下氏。「北朝鮮は今どうなってるんだ、教えてくれと危機感を持ったメールが来た。何か今までと違うことが起きているんじゃないか、とアメリカの人たちは感じている。トランプ大統領が『見たこともないような炎と怒りに直面するだろう』と相当踏み込んだ発言をした。これまで色んな分野で強い発言をしていたが、ここまで踏み込むと何か起こってるんじゃないかと。さらに世論も盛り上がって、それを受けて韓国の特派員も盛り上がった記事を書いて本国(アメリカ)に送り、双方が危機感を盛り上げてしまう」と説明する。

 さらに、竹下氏はそれを「マッチポンプのようなこと」と指摘する。「注意しなきゃいけないのは、戦争は“ウソ情報”や“無駄な煽り”から生まれることが多いので、軽視することもできない。イラク戦争の時も、アメリカの大手メディアは『旧フセイン政権が大量破壊兵器を持っているんじゃないか』と印象を与えるような報道をしたが、後にそれは誤りであることが分かった。そういった情報が新聞やテレビに載ると、政治家が引用して発言し、それをまた新聞が書いてとぐるぐる回っていく。さらに、トランプ大統領は『リアルニュース』として自身で動画配信も始めたが、そもそもどんなソースでニュースを発信しているのかわかりにくくなっている。半分ウソの“ハーフフェイクニュース”というのが一番怖い。北朝鮮が怖いのは事実、ミサイルがあるのも事実。ただ、そこに少しウソが混じった情報ほど怖いものはない。本当の情報や全くのウソより広まりやすい」と注意を促した。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

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AbemaNewsチャンネル | AbemaTV(アベマTV)
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けやきヒル’sNEWS キャスター:徳永有美 | AbemaTV(アベマTV)
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