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 14日の読売新聞の一面に、「競馬・競輪 20歳以上維持」という記事が掲載された。「政府は、競馬や競輪などの公営ギャンブルの禁止年齢について、現行の20歳未満に据え置く方針を固めた」とし、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正が行われた場合の対応で、若者のギャンブル依存症などの危険性を考慮して判断したとしている。

 14日の『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)ではこの記事を取り上げ、臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏が、心理学の観点から「依存症」に対する見解を述べた。

 若者のギャンブル依存について、「年齢に根拠はないのでは」と話す藤井氏。「仮に18歳に下げたところで依存症が増えるかというと、もちろん(対象年齢が広がることで)人数は増えると思うが、年齢に根拠はない」という。

 パチンコに関しては、現行の風俗営業法で18歳からの利用が可能となっている。出玉規制でギャンブル依存症の対策をとる方針が検討されているが、その効果については、「我々の観点からすると、変わらないか、もっと(依存が)増えるか。出玉規制がされるということは、1回で勝てる金額が下がるということ。負ける人からすれば、勝つためにもっとやらなければという考えになってしまう。5万円と10万円も勝ちは一緒で、行動を起こさせるモチベーションとしては、依存状態にある人にとってはそんなに変わらない」と否定した。

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 また、依存症はギャンブルのほかにスマホ、ネット、買い物など身近なものも多い。これらの防止策として藤井氏は、「依存症のメカニズムはどれもほとんど一緒。依存状態になっているということは、自分自身のことが分からなくなっている状態ともいえる。自身のことを客観的にみることが必要で、どのようなメカニズムで自分が行動しているかは整理しないとわかりづらい。例えば、間食に悩む人の場合、お腹が空いた状態でコンビニの前を通ったのか、仕事で疲れてイライラして帰ったら家にお菓子があるのか。その行動がどういうきっかけなのか、背景にどういった心身の状態があるのかを考える。パチンコの依存でも、日によって『なぜパチンコをやっているのか』の理由が違うことがある。行動のメカニズムを頭に入れておくと、自分の行動が作りやすくなる」と解説した。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

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けやきヒル’sNEWS キャスター:徳永有美 | AbemaTV(アベマTV)
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