ド派手なリーゼントに黒メガネ。一度見たら忘れない独特な出で立ちの男、それが「ブランド王ロイヤル」の森田勉氏、ロイヤルシステム株式会社の創業者だ。現在、従業員10名ながら売上は50億円を記録している。

 同社のウリはズバリ"激安価格。現金一括で仕入れることでプライスダウンを実現した。今では新宿店だけで年商5億円以上を記録する。世間では「ブランド王」として名を馳せる森田だが、一体どのようなキャリアを歩んできたのか。AbemaTV『創業バカ一代』は、そのキャリアを紐解いた。

■"レディースプラン”を最初に考えたホテルマン時代

 1945年生まれの森田は厳格な父に育てられた。東京農業大を卒業、最初に就いた仕事はブランド品販売とは無縁の、ホテルの経理だった。しかし、そこでも次々と破天荒な「森田伝説」を打ち立てている。

 当時勤めていたの先は、都心の一等地にあるホテルオークラ。「みんな海、山に行っちゃうから、夏場はガラガラ」。そんな課題を解決するために狙った客層が女性たちだった。伊勢丹や三菱銀行に営業をかけ、社員食堂に「1泊朝食付き、プール利用可、8900円」という張り紙をした。ちょっと日常を抜け出して贅沢をしたい、そんなマーケットを取りに行ったのだ。

 「いわゆる“レディースプラン”を最初に考えた。その年の営業成績は2位が20泊獲得、俺が2400泊で、ダントツ1位だった」。

 そこから森田はホテルマンとして頭角を現していく。「宴会場を埋め尽くしたりしたね。ある時は立川のホテル建設も『新宿と商圏がかぶるからやめたほうがいい』と言って止めたこともあったよ」。

 経理として、"怖い人"を相手に債権回収も行ったことがある。「ロングステイをしても払わない。結婚式をしても払わない。そういう"怖い人"を相手に回収する」。暴力団対策法もない時代。ピストルを突きつけられたこともあったという。だが森田は辛抱強く話し続けることで相手の心を開かせ、弁済を進めていったという。

 そんな森田がノウハウを披露する交渉は「森田オンステージ」と呼ばれていたという。一人のホテルマンであった森田が回収した金額は「5年で10億円」というから驚きだ。

 意外な歴史の転換点にも立ち会った。現職総理だった田中角栄が逮捕されるまでに発展した「ロッキード事件」だ。金銭の受け渡しがオークラの駐車場で行われていたため、森田は重要証言を求められた。

 「1974年1月、ロッキード社からの3回目の受け渡しがオークラの駐車場だった。その時インペリアルスイートに(ロッキード社の)コーチャン副会長がロングステイしていた。その請求書の管理は俺がやっていて。特捜の検事がきて、確認が3、4回来て俺が証言したんだ」。

■妻のシャネルを店頭に置いてみたら…

 その後、バブルによる好景気とともに不動産業で財を成し、1995年に「ブランド王ロイヤル」新宿西口店をオープンさせた。

 もともとブランド品の売買に興味があったわけではなく、不動産業を構えたビルが店舗棟だったから、何か商売をしなといけなかったから」なのだという。考えあぐねた森田が苦肉の策として思いついた一手が「妻のシャネルを店頭に置いてみる」だった。「そしたらその日のうちに売れちゃった」。

 これは商売になる、と考えた森田はすぐに『CanCam』『ViVi』『JJ』『RAY』といった女性誌の編集長に片っ端から会い、広告を出した。当時はブランド品ブームの真っ只中で、電話は鳴りっぱなしになったという。「1つの新作に30~40本電話がかかってくる。でもその時は商品は手元にない。電話をもらってから仕入れてすぐに売る」。

 バブルが弾け、ブランドブームが去っても森田の快進撃は続く。次に狙ったのは「タンス鉱山」だ。

 「ユニクロなどのファストファッションがブームになると、ブランド品は似合わなくなる。するとみんな一斉に売るんです。ファストファッションのお陰で仕入れが一気に楽になった」。

 屋号も「ブランド王ロイヤル」から「買取王ロイヤル」に変更、徹底的に「買い取り」という言葉を訴求した。バブル期に爆発的に流行ったダイヤモンドを大量に買い上げ、インドやベルギーの商人に売ることで、さらに企業を成長させていった。

■カルチャースクールも経営、次は「結婚」

 現在「ロイヤル大学」というカルチャースクールも運営する森田。カリキュラムはゴルフやモテ方講座、不動産の売買、タバコの止め方、さらには自ら講師として登壇するテーブルマナーなど多岐に渡っている。

 元ホテルマン・森田に、"由緒正しいテーブルマナー"を教えてもらった。

  • レッスン1:正しいライスの食べ方「フォークの背にライスを乗せる人がいるが、アメリカ人が見たら“曲芸”だと言われる。フォークの背ではなく腹に乗せるのが正しい。ナイフは切る面を内側に置く」
  • レッスン:2ステーキの食べ方「右から切らない。左から切るのが正しい。右から切るとフォークを差し替えなければならない。左から一口ずつ切っていく。先にすべてを切り分けると風味が落ち、温度が下がってしまう」
  • レッスン3:正しいコーヒーの飲み方「かき混ぜずに持ち上げるように混ぜ、香りを楽しむ。スプーンは縁で雫を落とし皿の上に置く。右手で取っ手を持ち、右側にゆっくりと回す」

 「思いやりの心であるとともに一番食べやすい方法、それがテーブルマナー」。

 ホテルに不動産、ブランド品にカルチャースクールと幅広い領域でビジネスを成功させてきた森田。その出で立ちや豪放磊落な性格ばかりがフォーカスされるが、実は住む家は質素な部屋。それだけではない。普段の生活でも細かな努力を欠かさない。気になった記事は全てスクラップし、いろんな情報にアンテナを張り巡らしている。

 "人生は格闘技"と自らの哲学を語る森田。「遊びにも仕事にも全力投球。そして諦めないこと、運動すること、この二つ」と語る森田。次なるブームは「結婚」だという。これから森田はどんな一手を仕掛けるのだろうか。(AbemaTV/『創業バカ一代』より)


▶次回『創業バカ一代』は19日(土)22時~、「リーブ21」岡村勝正社長が登場!

偉大なる創業バカ一代 “ブランド王”ロイヤルシステム創業者 森田勉 | AbemaTV(アベマTV)
偉大なる創業バカ一代 “ブランド王”ロイヤルシステム創業者 森田勉 | AbemaTV(アベマTV)
有名起業家たちの飛びぬけた体験談を掘り起こし、時代を生きぬく術を学ぶビジネスバラエティ