
"あたりまえポエム"をご存知だろうか。「一人より二人のほうが 人数が多いね」「ずっと探していたもの それは探しものだった」「もう君以外の人は君じゃないと思う」というように、"あたりまえ"のことをポエムにしたものだ。
作者の氏田雄介氏は、昨年の11月からTwitterに"あたりまえポエム"を定期的に投稿しはじめたところ、ネット上で話題に。今年4月には、それらをまとめた書籍を出版するまでになった。

氏田氏はポエムを書き始めた理由について「昔から中高生に人気で、ずっとあるものだと思う。本当に究極的に中身のないポエムを作っても人は感動できるのかなとか、どういう気持ちになるのかなと思って、実験的に作ってみたのが始まり」と話す。
「"明けない夜はない"ってあたりまえだが、言う人によっては深い言葉だ。そうなるとあたりまえじゃなくなっちゃうので、間違っても、いいこととか深いことは言わないようにする。みんな意味を求めすぎている。映画も感動的なヒット作がいっぱいで食傷気味になっているというか、高カロリーのものがいっぱいあるので、カロリーゼロの言葉。コンテンツ界の"湯葉"」。
その一方、「これが世界中に広まると、日常の何もないところで笑顔になれる世界が作れる。きっとあたりまえポエムが世界中に広がると、戦争とかもなくなるんじゃないか」とも話す。

氏田氏によると、あたりまえポエムを作るコツは
(1)ポエムっぽいフレーズを思い浮かべよう
(2)"あたりまえ"に言い換えよう
(3)"だと思う""君を想うと"など主観的なフレーズで装飾しよう
という"あたりまえ"を"ドラマティック"に変えるための3つのテクニックがあるのだという。
さらに、ポエムを作って完成ではなく、写真も重要だという。書籍の写真も担当しカズキヒロ氏は、あたりまえポエムに必要不可欠なカメラマンだ。
AbemaTV『AbemaPrime』では、氏田氏のアドバイスをもとに、番組出演者たちがあたりまえポエム創作に挑戦。池澤あやかは「この広い世界で君と出逢えた奇跡は偶然だと思う」。博報堂ブランドデザイン若者研究所の原田曜平氏は「何故だろう 右足を出して左足を出すと 歩き出せる気がする」。AV女優の紗倉まなは「斎藤さんと原田さんを見るとなぜだろう。眩しくて目がクラクラするんだ。」、そしてお笑いコンビ・トレンディエンジェルの斎藤司は「我思フ 君の唇と僕の唇 くっつけば それはkiss」と即興で創作した。

紗倉は「あたりまえのことってあたりまえ過ぎて、あたりまえという価値を見出だせない。あらためて考えるとすごい高度な技だなと思う」と、氏田氏の創造力に感心していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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