麻生太郎副総理が、ヒトラーを部分的に擁護したとも捉えられかねない発言を一夜で撤回した。
29日、横浜市で開かれた自民・麻生派研修会で、麻生副総理は「我々は少なくとも日本と言う国に生まれ育って、ここまでそれぞれの人生を歩んでこられたと思いますが、どういう理由で政治家になろうと思われたんだか、それぞれみんな違うと思います。動機は、私は問わない。問題は結果を出してもらわないといけない、その結果が大事なんだ。いくら動機が正しくても、何百万人も殺しちゃったヒトラーは動機が正しくてもダメなんですよ」と話した。
これは、60人の国会議員で立ち上げた新派閥の研修会の中での発言だ。政治家としての心構えを説明する中で言及したが、30日朝、麻生副総理はこの発言を撤回した上で「悪しき政治家の例としてヒトラーを挙げた。私がヒトラーについて極めて否定的に捉えていることは、発言全体から明らか」とコメントした。
麻生副総理は、2013年にも憲法改正に絡んでナチス政権に言及している。その時は「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。あの手口を学んだらどうか」と発言し、その後撤回した。麻生副総理の発言について、元外交官の村上政俊氏が『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)で見解を述べた。
「全体を聞くと、政治家にとって結果は大事なんだと、結果に対して責任を負わないといけないんだという趣旨であることは理解できる」と話す村上氏。一方で、「その言葉に麻生副総理自身が忠実になれば、来週にペンス副大統領との非公式会談で訪米を予定している。10月の日米経済対話の地ならしのためにアメリカに行く重要な任務があるわけなので、その結果に素直になっていただいて、わざわざそういった発言をする必要はなかったのでは」と話した。
さらに今回、“身内の研修会”での発言であることをあげ、「新しい派閥を立ち上げた高揚感があったのかもしれないし、仲間を相手にしての発言で、レンズの向こうに一般有権者がいることを忘れてしまったのでは」と指摘した。
(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)