8月29日、『俺たちのBEST OF THE UFC』が放送(AbemaTV)された。“UFCトーク番組”として、お笑い芸人の玉袋筋太郎や品川祐、川尻達也、大沢ケンジ、杉山しずかといった超・UFCファン達が、テーマに沿って約20試合を紹介しVTRを見ながらその内容を語り尽くした。
■俺のベストノックアウト
品川は『UFC194』のコナー・マクレガー対ジョゼ・アルド戦を挙げ、「一瞬何が起きたか分からない、でもスローで見て『うわー!』って」とコメント。試合のVTRでは、MMA18連勝中だったアルドが、試合開始13秒でマクレガーの後退しながらのパンチを浴び、マットに沈む様子が映し出された。
元格闘家の大沢ケンジが挙げたのは『UFC34』の宇野薫対B.J.ペン戦。大沢の直属の先輩であり、日本の格闘技界を代表する選手だった宇野が、ペンの“速射砲”に秒殺される様子に、大沢は「日本の『修斗』が負けたみたいなところがあって、ショックが大きかったですね」と悔しさをにじませた。
現役総合格闘家の杉山しずかが挙げたのは、『UFC193』のホリ―・ホルム対ロンダ・ラウジーの女性格闘家同士の試合で、「ロンダ・ラウジーが負けるなんて誰も思わなかった」と、オリンピック出場経験を持つ絶対王者であるラウジーがホルムの組技対策などの「戦略」によって敗れた試合を振り返った。
玉袋は『UFC100』のダン・ヘンダーソン対マイケル・ビスピン戦。「“伝家の宝刀”というキーワードで見て下さい」と、当時37歳のヘンダーソンが愚直に“Hボム”と呼ばれる右のパンチを連発し、ビスピンに直撃させKOする様子を興奮気味に観戦した。
そして現役格闘家の川尻達也は、『UFC13』のタンク・アボット対ビクトー・ベウフォート戦。川尻は「衝撃を受けた」試合だとして、自身のデビュー戦前に100回以上は見たと熱く語る。試合はブラジリアン柔術やボクシングの技術を繰り出したベウフォートがアボットを圧倒して勝利を収めている。
ここで杉山の質問から、UFCのルール変遷にかかわる話に。大沢は初期のルールについて“目つぶし”“金的”“髪の毛を掴む”“噛みつき”だけが反則だったのだと解説する。第2回大会では何故か“金的アリ”になったと驚きの歴史も明かしていた。
■俺のベストサブミッション(関節技)
大沢はKO勝利と違い、タップアウトによるギブアップで勝負が決まるため、負ける側の意識にも差があるのだと解説する。
品川はここで『UFC140』の「フランク・ミア対ミノタウロ・ノゲイラ(アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ)」戦。「とにかくすごい面白い展開」「3回『えー!』が入る」と、“柔術マジシャン”のノゲイラが腕を取られ一本負けを喫する瞬間を悲鳴交じりに観戦。日本の格闘技界で活躍していたスター選手が次々に敗戦していた時代だそうで、品川は「この時期はショックの連続」と当時を振り返っていた。
大沢が挙げたのは2011年の『UFC Fight Night』のジョン・チャンソン対レオナルド・ガルシア戦。最も優れたサブミッションによる勝利をした選手に贈られる“サブミッション・オブ・ザ・ナイト”を獲得した試合を観戦。VTRではチャンソンがテイクダウンからUFC史上唯一の“グラウンド・コブラ”をガルシアに決めるまでの詰将棋のような見事な試合運びを堪能した。
杉山が挙げたのは『UFCファイトナイトJAPAN2015』での、自身の夫でもある中村K太郎対リー・ジンリャン戦。打撃を続けざまに受ける中村に「負けると思った」と振り返ったが、中村は闘志衰えることなく常に前に出続け、最後には背後に回り込んで首を絞め上げ、見事“失神一本”で勝利を収めた。
続いて玉袋が挙げたのは『UFC186』のデメトリアス・ジョンソン対堀口恭司戦。「これはシビれちゃったなあ」と手放しで称賛した戦いは、ジョンソンが第5ラウンドでも驚異的なスタミナで攻め続け、残り時間1秒で腕を取り1本勝ちを決めている。
大沢は『UFC34』カーロス・ニュートン対マット・ヒューズの試合もピックアップ。大沢が「正確に言うとサブミッションとは言えない」と断りを入れた試合は、“三角締め”を決められ立った状態で意識を失ったヒューズが倒れこんだ拍子にニュートンが頭を打ち付け気絶し、ヒューズが勝利を収めるという、漫画のような意外過ぎる結末だった。