新日本プロレスにとって初の単独興行となるアメリカ・ロサンゼルス大会の二日目、全9試合を配信する「新日本プロレス G1 SPECIAL in USA 2017.7.2」(9月9日17時~AbemaTV)が放送される。
現地時間7月1日、2日の2日間に渡りカリフォルニア州ロサンゼルスのロングビーチ・コンベンション・アンド・エンターテイメント・センターにて開催された「G1 SPECIAL in USA」は、2日分のチケットが2時間で完売し、両日とも超満員札止めの観客を動員。会場は最初から最後まで興奮と熱気に包まれ続けた。
同大会のハッシュタグ「#G1USA」は、ツイッターでアメリカ1位、全世界で2位にトレンド入りを果たすなど、興行的な成功を収めると共に大きな話題も提供していた。
また「G1 SPECIAL in USA」は、有料動画配信サービス「新日本プロレスワールド」で独占生配信され、加入者数は過去トップクラスを記録。海外からの加入者も増加しているという。
■ケニー・オメガが初代IWGP・USヘビー級王座を獲得
今回のアメリカ・ロサンゼルス大会の目玉の一つとなっていたのが、新設されたIWGP・USヘビー級王座の初代王者を決めるトーナメントだった。トーナメントは、2日間に渡って8選手参加で開催され、ケニー・オメガはジェイ・リーサルを、石井智宏はザック・セイバーJr.をそれぞれ準決勝で破って決勝戦を迎えた。
互いにこの日2試合目でありながら、次々と繰り出される激し過ぎる攻防に、観客が思わず立ち上がり会場は熱気に包まれた。18分過ぎにケニーが場外に設置したテーブルへの断崖式ドラゴンスープレックスという荒技を敢行。頑丈なテーブルが真っ二つに割れる衝撃に、観客も声を失った。
その後、ケニーが掟破りの垂直落下式ブレーンバスターを繰り出すと、石井はケニーの必殺技・片翼の天使で返すなど一進一退の展開が続いたが、ケニーがリバースフランケンシュタイナーから再びVトリガ一を決め、最後はリストクラッチ式の片翼の天使で石井をマットに突き刺して、30分を超える激闘に終止符を打った。
圧倒的な現地ファンの声援に応える形で、初代USヘビー級王座を戴冠したケニーは「このショーはここにいる皆で成功に導いたものだ。来年のニュージャパンのアメリカの興行はもっと大きな場所で開催して成功させる。そしてこのベルトは世界中の猛者を集め、伝説の防衛戦を見せていくことで価値ある物になる」と宣言。新日本プロレスのアメリカ進出における“エース”として、ファンの期待を背負う覚悟を見せた。
■今後加速する新日本プロレスのアメリカ進出
プロレスの本場であるアメリカで新日本プロレスが注目される理由は、プロレスのスタイルの違いにある。世界一のプロレス団体であるWWEに代表されるように、マイクパフォーマンスなど派手な演出中心のアメリカンプロレスに対し、新日本プロレスの主流は「強さ」による実力主義を前面に打ち出したストロングスタイルだ。アメリカのスポーツメディア「Bleacher Report」は「WWEはスポーツエンターテイメント、新日本はプロレスリング」と評している。
今回開催された「G1 SPECIAL in USA」は、アメリカの多くのプロレス関係者から高く評価されており、その中にはWWEの名物実況アナだったジム・ロス氏も含まれているという。
新日本プロレスの木谷高明オーナーは「大成功、超成功と言ってもいい。もっと大きい会場でも良かったですね」と総括。来年もロサンゼルス大会開催がアナウンスされ、木谷オーナーは「遅くとも3月、4月には。いずれは巡業スタイルも試したい」と今後の展望を明かした。木谷オーナーは、ロサンゼルスでの事務所開設、道場設立を目指していることも明らかにしており、新日本プロレスのアメリカ進出は今後ますます本格化しそうだ。
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