北朝鮮の朝鮮中央テレビは3日、「我々の水爆は、広大な地域に超強力電磁パルス攻撃まで加えられる、多機能化された核弾頭である」と発表した。すでに北朝鮮の労働新聞も、「核兵器の威力は一般的に衝撃波や放射能汚染だが、電磁パルス攻撃はそれらを凌駕する威力を示すだろう」と報じている。
 「電磁パルス攻撃」とは、迎撃の難しい高度100km以上の大気圏外で水爆を爆発させ、それによって生じるガンマ線と空気中の分子が衝突することで生じる電磁パルスによって、地上の通信機器や流通システムに壊滅的なダメージを与えるというものだ。この高度でミサイルを迎撃することは難しく、米国上空で実施された場合、被害は米国本土全域に及ぶとされている。共和党のギングリッジ・元下院議長は「電磁パルス攻撃は破壊的で、復旧にはおそらく何年もかかるだろう。議会は電磁パルス攻撃を、存続にかかわる最悪な攻撃のひとつを見なすべきだ」と訴えている。実際に、米シンクタンクの分析では、電磁パルス攻撃を受けた場合、車や鉄道、航空機などの輸送網、電気・水道などのインフラ、軍の通信能力など全てのシステムが破壊され、影響が1年間続くと、米国民の9割が飢餓や病気などによって死亡するという推計もある。