新日本プロレスのIWGPジュニアヘビー級王者KUSHIDAが、現地時間8月26日にイギリス・ニューカッスルで開催された「WCWPプロレス・ワールドカップ 2017」に出場し、ウィル・オスプレイとの決勝戦を制して初優勝を飾った。準決勝でジョセフ・コナーズをホバーボードロックで破ったKUSHIDAは、決勝戦でオスプレイと対戦。バック・トゥ・ザ・フューチャーで勝利し、トーナメントの頂点に立った。

KUSHIDAはROH世界TV王座、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア、IWGPジュニアに次いで4つ目のタイトルを獲得し、日本のみならず世界を股に掛けて活躍している。

■2017年前半は高橋ヒロムに連敗し、どん底状態に

昨年末までIWGPジュニアヘビー級王者として好試合を連発し、新日本プロレスのジュニア戦線を引っ張ってきたKUSHIDAだが、今年1月4日の東京ドーム大会で高橋ヒロムに敗れ、IWGPジュニアヘビー級王座から陥落。

王座奪還を目指し、4月9日の両国国技館大会でヒロムとの再戦に挑んだKUSHIDAは、序盤からホバーボードロックを仕掛けて短期決戦を狙ったが、ヒロムのサンセットフリップ・パワーボムで場外に叩きつけられ失速。僅か1分56秒、TIME BOMBで秒殺され一敗地に塗れた。

復活を期してROHと新日本による北米ツアー「WAR OF THE WORLDS」に参戦したKUSHIDAは、5月7日のトロント大会にて元ROH世界王者のジェイ・リーサルとの階級を超えたシングル戦に挑み、新技のバック・トゥ・ザ・フューチャーで勝利した。

勢いに乗ったKUSHIDAは、同月14日のツアー最終戦ではマーティ・スカルが保持するROH世界TV王座に挑戦。バック・トゥ・ザ・フューチャーで劇的勝利を収め、ROHマットではROH世界王座に続いて権威のあるシングル王座奪取となった。

KUSHIDAの現在の必殺技であるバック・トゥ・ザ・フューチャーは、いわゆるスモールパッケージ・ドライバーで、フィッシャーマンバスターのように抱え上げ、自分の右足を相手の左足に絡めたまま体重を預けて叩きつけ、首固めの要領で固めてフォールに移行する技だ。

技名の由来は、自身が大ファンである事を公言している映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」からで、年頭より高橋ヒロムに連敗を喫したことで、ジュニア戦線から大きく後退してしまったことから、「ヒロムによって破壊された未来に戻って見せる」という意味合いが込められている。

■「BEST OF THE SUPER Jr.24」を制覇し、ウェーブを発生させる

「BEST OF THE SUPER Jr.24」で決勝へ進出したKUSHIDAは、6月3日に国立代々木競技場第二体育館で行われた優勝決定戦でウィル・オスプレイを破り、同大会2年ぶり2度目の優勝を果たした。フィニッシュとなったのは、やはりバック・トゥ・ザ・フューチャーだった。

この大会のメインイベントを務めたKUSHIDAは、試合後のリング上からマイクで超満員札止めの観客にこう呼び掛けた。「3年越しでここ代々木がチケット完売になりました! 優勝したら、やりたいことがあるんですけれども…。ご協力をいただいてもよろしいでしょうか?  僕が新日本プロレスファンだったころ、東京ドーム、両国国技館で客席からウェーブが発生していました。ベタですけど、ここ代々木で復活させてもよろしいでしょうか? せっかく満員なんで、いっちょご協力をお願いします」

KUSHIDAはプロレス会場でのウェーブを知らないファンに対して、しっかりとレクチャーすると、ファンのウェーブが綺麗に2周し会場が一体となった。そして「DOMINION」6.11大阪城ホール大会でヒロムを破り、IWGPジュニア王座を奪還したKUSHIDAは、6月27日、後楽園ホールで行われた「KIZUNA ROAD 2017」で、BUSHIにバック・トゥ・ザ・フューチャーで勝利し、IWGPジュニアヘビー級王座の初防衛に成功した。

この試合後、エル・デスペラードが登場し、KUSHIDAの頭部にギターショットを決め、デスペラードは次期挑戦をアピール。その後、9月16日に行われる広島サンプラザホール大会でデスペラードとのIWGPジュニアヘビー級王座のV2戦が決定した。

"鈴木軍のならず者"デスペラードは、あの手この手を使って、IWGPジュニアヘビー級王座の強奪を目論むことが予想されるが、年頭のどん底状態から復活し、“四冠王”となったKUSHIDAの強さに死角は見当たらない。

photography by ROH

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新日16.1.4~17.1.4 KUSHIDAの“全シングルマッチ”一挙放送! | AbemaTV(アベマTV)
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