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 今月12日発売の『サンデー毎日』が、昨年3月に行われた金正恩委員長の"秘密演説"の内容をスクープ、北朝鮮暴走の原点と、"凄まじいマインドコントロール戦略"があったことを示唆している。

 同誌によると、金委員長は演説で「飴玉がなくとも生きていけるが、銃弾がなくては生きていけない。我々は敵どもが挑発してきたら無慈悲に掃滅させ、祖国統一を成し遂げるよう、戦争準備を徹底して進めなければならない」と語り、「戦争勝利の決定的要因は、一心団結した千万軍民の政治思想的威力だ。我が人民は党を絶対的に信じ、勝利を確信しているので明日すぐに戦争が起こったとしても恐れない」として、世界一の軍事力を持つ米国をも恐れない背景に"人民の精神力"があると強調している。

 また、メディアを活用した宣伝工作にも言及、「武器の威力についても具体的に公開するようにした。正義の先端武器で敵どもの殺人武装装備をいくらでも制圧できることを人民に知らせるためだ。さらに勇気百倍となって、気勢を上げていくことができるだろう」と主張。この演説からわずか2日後には、核爆弾の模型を前に「核先制打撃権は決して米国の占有物ではない」と訴えたという。

 『サンデー毎日』時代から北朝鮮取材を行ってきた毎日新聞部長委員の鈴木琢磨氏は、16日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』で「昨年の米韓合同軍事演習前夜に、幹部を集めて金正恩氏が思っていることを全部ぶちまけた。"祖父である金日成は、なけなしの状況で機関銃を作った。その機関銃が、今やICBMになった。我々は雑草のおかゆを子どもたちが食べて、やってきたのだ"と、ちょっと自分に酔ったような雰囲気で語ったとされている。金委員長はまだ33歳。政権交代がない北朝鮮で、この先20年、30年、100年の王国を築こうとしている。そうすると、この1、2年くらい制裁を受けて苦しくても、求心力を高めて政権を盤石にしたいという強い思いがある。裏を返せば、脆弱な部分もある」と発言の意図を推測した。

 鈴木氏によると「彼は選挙で選ばれたわけではない。北朝鮮の人たちだって、"誰だこいつは"となっている。そこを何とかして、もっともらしい王様に仕立てあげようとしている。父親の金正日は祖父の金日成と長く二人でやってきたし、色んなことをしながらなんとか政権を確立してきたが、金正恩氏にはそれがない。インテリであればあるほどおかしいと思っている正統性について、想像以上に彼自身や側近は不安なはずだ」として、金委員長が自身の目的達成のためには「核が安上がりであること」という認識を持っているとした。

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 ノンフィクション作家の富坂聰氏も、「まさに中国も、おカネがかからないから核兵器に走った」と指摘。「1980年代の始めくらいの中国と雰囲気が酷似している。文化大革命が終わったあと、とにかく核を持たないとやられてしまうかもしれないという思想に取り憑かれていた。しかし結果として、経済発展してみたら"そんなことなかったね"となった。だから落ち着いて北朝鮮が損得を考えられる状況を作りましょうというのが、中国の出しているロードマップ。それにロシアが乗っかっているのが今の状況」と話した。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


▶次回『みのもんたのよるバズ!』は23日(土)20:00~生放送!

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