この記事の写真をみる(8枚)

■内閣改造の時点では、総理の頭に解散はなかった

 28日に招集される国会冒頭での解散、そして10月22日投開票とも報じられている総選挙。AbemaTV『AbemaPrime』では、「解散はもう確実だ」と話すテレビ朝日政治部の細川隆三デスクとともに安倍総理の戦略を分析した。

拡大する

 これまで幾度となく浮上しては消えてきた衆議院解散のシナリオ。支持率が高かった今年1月には、通常国会冒頭で解散するとの説も流れた。安倍総理が"今がベストタイミング"判断した理由について、細川デスクは北朝鮮問題こそが最大の要因で、菅官房長官や、秘書官らの意見とも一致したからだと分析する。

拡大する

 「今年やらなくても、来年のどこかで解散しなきゃいけない。安倍総理はトランプ大統領とも頻繁に電話会談を行っている。その中で、相当突っ込んだ話もしている。この先、北朝鮮情勢が緊迫化する可能性があると総理周辺も考えている。もしそうなれば、解散なんかできなくなってしまう。年末のこともわからないのに、来年のことなどもっと読めない。勝てないのに解散しなきゃいけないという状況での"追い込まれ解散"も、やはりやりたくない」。

拡大する

 その上で、来月22日に投開票とした理由を「10月29日という説も流れた。ただ、11月初旬にはトランプ大統領が来日、11月9日には園遊会も予定されている。それまでに特別国会などをやっておくことを考えると、22日の方が望ましい。それらが終わってから解散という話もあったけれども、選挙が12月になってしまえば、やっぱり北朝鮮情勢の緊迫化が懸念される」と推測した。

拡大する

 「加計・森友問題で総理の説明が足りない、振る舞いにも嫌気がさしている有権者もいる中で、"安全運転"の内閣改造をした。この8月3日の内閣改造の時点では、安倍総理の頭に解散はなかった。しかし、8月中旬以降、北朝鮮情勢が深刻化し、民進党もガタついているということで、解散の話が具体的に動き始めた。"これは北朝鮮解散"だと幹部から聞いたという記者もいる。総理周辺は、"安倍晋三が総理を続けてもいいのかを問う選挙だ"と言っている」。

■野党には力強さがあまりない

 今回の解散については、森友・加計問題の疑惑隠しや、野党の準備が整っていないことを利用した党利党略だなどの批判が野党から一斉に噴き出している。所信表明演説や代表質問などを行うよう求めている民進党は議員運営委員会を欠席した。

拡大する

 民進党の前原誠司代表は「国権の最高機関を愚弄する行為だ」とコメント。松野頼久国対委員長も、「本当にこの内閣は国会軽視が甚だしい。内閣改造をして質疑しなかったというのは、戦後全くない」、階猛政調会長も「この解散権の行使というのは、前代未聞のご都合主義の解散なわけで、こうした解散権に歯止めをかけるということは強く言っていくべきだという意見も多々あった」と憤りをあらわにした。

 共産党の笠井亮政策委員長は「疑惑隠しが極まるとも言うべき。冒頭解散をするなど到底容認できない。これはまさに憲法違反ということと、国会ないがしろということで、断じて許されない」と強い口調で非難している。

 細川デスクは「党利党略と言われればその通り。もともと解散というのは究極の党利党略。大義が無いとも言うけれど、いつも大義はない。取材をしていると、"大義なんてものは、後から考えるものだ"と言われる。良いか悪いかは別として、それが永田町というもの」と話す。

 「前原さんの言っていることもその通りで、確かに正論だ。しかし、本来野党というのは、解散に追い込むものだ。宝くじを買わなければ当たらないのと同じで、解散して選挙をやらなければ、野党の議席は増えない。民進党で離党が続いていることや、小池知事や細野・若狭氏らが新党を作るということに脅威を抱いている状況もあり、力強さがあまりないなと思う」と指摘。前原代表が「自民党に政策を真似された」という主旨のことを述べたことに対しても、「人への投資の話については、ずっと安倍総理も考えてきたことで、選挙が近くなってきたから言い出したことではない。よくぞ安倍総理は言ってくれた、というくらいの態度の方がいいと思う」とした。

■安倍総理は改憲を諦めてはいない

 しかし、今回の選挙で、自民党が議席を減らしてしまう可能性も報じられており、改憲に前向きな勢力の"3分の2"の維持ができなくなることも考えられる。2020年の新憲法施行を目指し、憲法記念日には自ら"改憲案"を示した安倍総理がそれでも解散に踏み切るのは、改憲を諦めたからなのだろうか。

拡大する

 これについて細川氏は「自民党幹部40~50議席くらいは減るのではいかと予測している。そうなれば、自民党単独で240議席前後。仮に自民250議席、公明35議席だとした、285議席。3分の2を維持するために、維新や小池知事と連携する細野・若狭氏らの新党も合わせれば、残り25議席は確保できるのではないか」と話す。

拡大する

 その上で「安倍総理は諦めてはいない。諦めれば、自身の存在意義がなくなると思っているくらいだろう。ただ、時間が必要になった。公明党もブレーキをかけているし、性急にではなく、スケジュールありきではなく、という方針になったということ。自衛隊の明記を公約に入れるという話も出てきており、岸田政調会長とも話をしていくことになるだろうが、安倍改憲案については党内でも議論していない状態なので、そんなにはっきりした書きぶりにはならないのではないか」と指摘した。

 週明け25日にも記者会見を行い、解散に踏み切る理由を国民に向けて説明するとみられる安倍総理。細川デスクは「北朝鮮情勢と、"対話ではなく圧力"という方針について押し出してくるのではないか。また、消費税や少子化対策、教育無償化を当てるんだという"人づくり""人への投資"の話も打ち出すだろう」と推測した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


▶『AbemaPrime』は月~金、21時から放送中!

「AbemaPrime」の検索結果(放送予定の番組) | AbemaTV(アベマTV)
「AbemaPrime」の検索結果(放送予定の番組) | AbemaTV(アベマTV)
「検索」では気になる番組を検索することが出来ます。
【無料】AbemaPrime - Abemaビデオ | AbemaTV(アベマTV)
【無料】AbemaPrime - Abemaビデオ | AbemaTV(アベマTV)
見逃したAbemaPrimeを好きな時に何度でもお楽しみいただけます。今ならプレミアムプラン1ヶ月無料体験を実施しています。
AbemaNewsチャンネル | AbemaTV(アベマTV)
AbemaNewsチャンネル | AbemaTV(アベマTV)
AbemaTVのAbemaNewsチャンネルで現在放送中の番組が視聴できます。
この記事の写真をみる(8枚)