2004年にテレビ放送が開始されて以来、子どもたちを中心に絶大な人気を誇る「プリキュア」シリーズの最新作『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』が10月28日(土)より全国公開される。今回の劇場版は、キュアパルフェこと天才パティシエ・キラ星シエルの過去に迫る物語で、シエルの師匠であるパティシエ・ジャン=ピエール・ジルベルスタインの声を歌舞伎俳優の尾上松也さんが担当することでも注目を集めている。

 歌舞伎界からの「プリキュア」シリーズへの参加は史上初。予想外の抜擢に松也さんはどう感じているのか。話を聞いてきた。

意外すぎる『プリキュア』抜擢に、子持ちの友人たちから連絡

ーー今回の出演が決まった時の気持ちを教えてください。


尾上松也さん(以下、松也):僕らの世代では女の子は『セーラームーン』や『ママレード・ボーイ』を見ていました。ですので、『プリキュア』は世代でいいますと僕らの時代の後のアニメというイメージでしたが、僕自身は『プリキュア』の存在は耳にしていましたし、女の子からとても人気があると十分知っていました。人気のある作品に出させていただけてとても光栄です。僕もそうでしたが、子どもはアニメーションを観ながら育ちますよね。僕の演じるキャラクターを観ながら、お子さんたちが楽しんで成長していただけるということはとても光栄でやりがいの感じるところですし、非常に嬉しいです。

ーー少女アニメに出られる印象がなかったので驚きました。周りから反響はありましたか?


松也:そうですね。32歳になりまして、同級生もそうですし、周りにも家族のいる友人が増えてきました。お子さんのいる方は子どもと一緒にアニメを見ますので、親も詳しくなるんですよ。ですので、この発表がされたときに何人かの友人からはネットニュースになった記事が送られてきました。

自らもスイーツ作りを経験 「メロンショートケーキはひどかったですね(笑)」

ーー『さぼリーマン甘太朗』での飴谷甘太朗役、今回のジャン=ピエール・ジルベルスタイン役と、スイーツ好きの役が続いていますが、周りの対応や反応に変化はありましたか?


松也:『さぼリーマン甘太朗』の前から色々なところで「スイーツが好き」と言っていたのが『さぼリーマン甘太朗』につながったところもありますので、ファンの方の間ではスイーツ好きで知られていたんです。ですが、『さぼリーマン甘太朗』に関しては周りからの反響も大きくて、はっちゃけて演じていたのでそれに対する反響も多いですし、甘太朗の行ったお店をめぐる方もいるみたいです。

さらに、今回の『プリキュア』が後押しになっていますので、よりスイーツ界での地位が確立されるのは嬉しいです(笑)。自分が元々甘味好きなので、「甘いもの=松也」というイメージがつくことは誇らしいです。


ーー松也さんは食べる専門で作ったりはされないのですか?


松也:最近は食べる専門ですね。好きが高じてといいますか、20代前半の頃はよく作っていました。ベイクドチーズケーキ、ガトーショコラ、ババロア……メロンショートケーキも作りました。

メロンショートケーキはひどかったですね(笑)。生地から作ったのですが、一番難しかったです。詳しく知らず、見よう見まねで作っていましたね。それまでは割と上手くいっていて、周りに試食してもらっても「美味しい!」と言われて調子乗っていましたね(笑)。

今思うと根本的な話なのですが、生地を作るには空気を入れながらやらないといけないんですよね。僕は自動ミキサーで空気を全然入れないでやっていましたので、生地がカチンカチンになってしまいました。他にも、ショートケーキを作るには生クリームで外側をコーティングしますが、コーティングできる固さにするのは結構繊細な作業なんです。それもよく分かっていなくて、ゆるいクリームが出来てしまい、食べる時にはクリームが下に落ちてしまいました(笑)。

ーー過去作ったもので最高傑作は何ですか?


松也:ベイクドチーズケーキですね。本当に美味しかったです。いろんな方に食べていただいたのですが、「嘘だ」「こんなケーキ作れるわけないだろ」と言われるくらい好評でした(笑)。


ーーこの後に、パティシエの衣装でアフレコをするというイベントが控えているとお聞きしています。パティシエの衣装を着たことは今までにありますか?


松也:着たことはないです。断固拒否したいのですが(笑)。

それでアフレコをして下さいと言われましたが、本当に拒否したいです(笑)。いないですよね、そんな人(笑)。パティシエの服を着てアフレコをしている人を見たことないですよ。アフレコ自体は楽しいですが……パティシエの衣装を着ることは完全に「仕事」です。趣味ではないです(笑)。

山寺宏一への憧れ「役の後ろに僕が見えたくない」

ーー前回、声優として出演された『モアナと伝説の海』と今回の『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』。何か演じる上で、苦労した点や掴んだコツみたいなものはありましたか?


松也:「モアナ」の場合は、本国の声優さんがいて既に出来上がった作品に自分の声をのせていました。共通のニュアンスがあり、本国の方以外は、世界各国の声優さんが合わせるというのがありました。本国とのやりとりがあり、一回のやりとりでシビアに「ここからここまでやらなきゃいけない」というのがありました。

今回はありがたいことに、ある程度は融通をきかせてくださりやりやすかったです。さらに、今回は他のキャラクターの声を聞きながらやることができましたので、感情的にもやりやすかったです。「モアナ」のときもそうでしたが、声優さんは無音の中、時間がきたら喋り出さなければいけない。全く相手がいない状態で演じるというのは大変だと思います。本当でしたら相手がどう出るかというところで芝居を作っていきたいのですが、自分の中できちんと作っておかなければいけないというのが難しいです。まだ2作目なので、自分の中でコツをつかみきれていないのかなと思います。

ーー以前から声優をやってみたかったというお話を伺いました。声優に興味を持ったきっかけを教えてください。


松也:僕はアニメーション……特にディズニー作品を見て育ったんです。母が好きで、周りにディズニーアニメーションが多くあり、その中でも特に興味を持ったのが声優の山寺宏一さんでした。これも「山寺さん?」というような声色のバリエーションが素晴らしいです。言われないと山寺さんだと気づかないこともあります。特に好きなのが、山寺さんの「ジーニー」。曲の中でいろんな声色を使い分けているのをずっとマネしていました。山寺さんには実際にお会いさせていただきましたが、本当に凄かったです。自分もやってみたいなと思いました。

これだけ大々的に顔を出して宣伝させていただいて、申し訳ないのですが……僕も、根本的には「マウイ」だったり「ジルベスタイン」の後ろに「尾上松也」が見えたくないです。山寺さんはまさにそうなんです。

幅広い仕事にチャレンジ「歌舞伎に恩返しができたら」

ーー次にチャレンジしたい仕事、やってみたい声優などはありますか?


松也:声優をやりたいという夢やミュージカルに出たいという夢も叶いましたし、自分の中ではもうこの上ない感じになっています。歌舞伎にしかり、「やりたいこと」というのは色々ありまして、自分の中でどういう風になっていきたいかは考えています。

今までも達成できるまでは「やりたいこと」を口にしないようにしていますが、スイーツ好きやアメコミ好きは公表していまして、そこからそういうお話をいただくこともありますので、「やりたいこと」を発信し続けるというのも大事だということは分かっています。

声優に関して言いますと「悪い奴」をやりたいですね。あとは、海外ドラマの声優をやりたいです。SF系、ファンタジー系の作品をやりたいです。

今、様々な分野で活動させていただいているのですが、やはりその根底には歌舞伎があります。歌舞伎というものを背負っているので、自分自身を多くの方に知っていただくのと同時に、歌舞伎にも興味を持っていただけたらということは常に思っています。これからもいろいろなお仕事を通して歌舞伎に恩返しが少しでもできたらいいなと思います。

インタビュー・テキスト:堤 茜子

撮影:板橋淳一

尾上松也、パティシエ姿で公開アフレコ「恥ずかしさで帰りたかった(笑)」
尾上松也、パティシエ姿で公開アフレコ「恥ずかしさで帰りたかった(笑)」
 2004年2月にテレビ放送が開始されて以来、広く愛されている「プリキュア」シリーズの最新作『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』が10月28日(土)より全国公開され
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