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 25日午後、安倍総理の会見に先立ち、小池百合子都知事が突如会見を開いて、新党「希望の党」の立ち上げを発表した。

 会見で小池都知事は「本当の意味の改革勢力が必要なのではないかと思っている。東京でまずそれを示そうと思い1年間やってきた」とし、「これまで若狭さん、細野さんをはじめとする方々が議論をしてこられたが、リセットして、私自身が立ち上げ、直接絡んでいきたいと思っている。ただし都政については、都知事であるのでしっかりとやっていく。むしろ都政をより磨きをかけていく。都政を進めるために国政の改革の速度を上げていきたいという認識に立ち至ったところだ」と述べ、都知事の仕事を継続しつつ、国政政党の代表としても活動していく意向を示した。

 また、政策については「希望の政治」を掲げ、しがらみのない政治、行政改革、徹底した情報公開、女性政策などダイバーシティ社会(多様な社会)の確立を目指すとしたほか、脱原発を主張、憲法改正についても「議論を避けてはならない」とした。

 25日夜、AbemaTV『AbemaPrime』に出演した自民党ネットメディア局長の平将明・衆議院議員は、小池都知事の会見を受け「選ぶ方は選択肢が多い方がいいので、こういう政党ができるのはいいことだと思う。中身はないが、一つ明らかにすごいことがある」と指摘する。

 「民進党の調子が悪いので、自民党には堕落しているところがある。調子に乗っているんじゃないかと言われるし、それほど成果を残していない議員が選挙で勝ったり、比例で復活したりしている。希望の党は保守政党なのに脱原発。そういう政党は今、日本にはない。その意味で、国家的な大きな選択肢になりうる可能性はある。自民党にとって大変な脅威だ」(平議員)。

 野党の動きに先手を打ち、攻めに出たい安倍総理だが、福田峰之・内閣府副大臣が自民党に離党届を提出、小池都知事が代表に就任する国政新党、希望の党への合流を表明。また、民進党からも都連会長を務めた松原仁元・拉致問題担当大臣が離党、同じく希望の党に合流する意向を示している。同党には現職の国会議員15人前後が参加する見通しで、首都圏を中心に、ほぼ全ての選挙区で候補者擁立を目指すという。

 解散総選挙に打って出た安倍総理の判断について小池都知事は「今回、大義なき解散総選挙ということを申し上げている。ましてや北朝鮮情勢がこのように緊迫している中において本当にふさわしいのかどうか、かなりクエスチョンマーク」としながらも、「政権選択選挙になるわけだから、しっかりと候補者については吟味しながら、多数立てていきたいというふうに考えている」と語り、勢力の結集を目指す考えを示した。

 東京が選挙区でもある平議員は「福田議員は離党なんかする感じではないか、もっぱら選挙区の事情だろう。私の支持者でも、自民党に対してだいぶ怒っている人がいる。説明が足りない、身内でうまくやっているんじゃないか、というイメージを払拭できていない。関東はかなりきつい戦いになるだろう」と危機感をあらわにする。

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 「自民党の、年配で脂っぽい人たちが悪いことしているに違いない、ブラックボックスだと言った割には、結局何も出てこなかった。今の御時世、そんな典型的な悪いことやっている政治家はいないし、淘汰されるが、それも小池都知事のイメージ戦略だ。自民党は男社会なところがあるので、女性として頑張っているというのも共感を得やすいだろう」「自民党も小池さんを追い出さないで、勝てるなら小池さんで戦えばよかった。そういう一つ一つの選択が狂うと、歴史は大きく変わっていく。民進党も、あの時蓮舫さんを都知事に出していれば、全然展開が変わっていた」(平議員)

 民進党副代表の原口一博・衆議院議員も、小池都知事の戦術に舌を巻く。「俺の所(選挙区)には候補を立てるなと言いたい(笑)。私も6年間、小池さんと一緒だったが、不遇な時代の中でも絶対に負けないでやってきた。この勝負勘は凄い。安倍総理の会見の前に自分も会見を開いて、『若狭さん、細野さんが今までやってきてくれたんだけど、私がリセットする』と。2人は『お前ら何をやっていたんだ』という話になるじゃないですか。すごいなと思うのは、東京を取りに来ているということ。東京を取るものは日本全体を取る。公明党も小池さんから離れると言われているけれども、離れられないんじゃないかなと思う」。

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 さらに原口氏は「自民党は一人、二人辞めても大丈夫だろうけど、うちは本当に困る。細野さんは民進党の綱領作った人なので、僕らは主がいなくった綱領で選挙を戦わなければならない。また、松原さんの離党を聞いて、僕は昨日、眠れなかった。彼は元拉致問題担当大臣で、一緒に拉致議連の初代メンバーをやった。小池都知事、中山恭子さんもそうだった。とにかく松原さんに言いたいのは、生き残って帰ってきてくれ、また一緒に拉致問題やろうということ」と訴えた。

 そんな小池氏は7月の都議選で大勝した翌日、「都民ファースト」の代表を辞任している。今回も総選挙後に同じようなことになるのではないかとの見方もある。平氏は「選挙期間中党首をやって、選挙が終わればまた辞めるという可能性も高いと思う。都知事の仕事は生半可でないし、できないと思う」と話す。 

 安倍総理は会見で、「(希望の党は)いい響き」とし、「安全保障の基本的な理念は同じだろう」と述べた。一方、新党設立の会見後、小池氏は小泉元総理と会談したという。「小泉元総理と会談されていたということだがどのような内容だったか」と尋ねられると、「原発。頑張れと励まされた」と答えている。

 自民vs民進の構図から、一気に自民vs希望になった観もある今回の総選挙。果たして「希望の党」の次の展開はー。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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