衆院選に向け各党が公約を明らかにする中、共産党も４日、政策を発表。重点政策である"10の柱"に挙げられたのが、国政の私物化を許さない、安保法制・特定秘密保護法・共謀罪の廃止、消費税増税の中止、憲法9条の改定への反対、核兵器禁止条約の締結、原発ゼロ実現などだ。
志位和夫委員長は記者会見で「今度の総選挙の最大の争点となるのは、安倍暴走政治そのものだ。5年間の安倍自公政権そのものが、最大の争点だと考えている」と述べ、「憲法破壊の色々な暴挙が繰り返されて、安保法制・共謀罪・秘密法等々ある。だから、これを撤廃する、廃止する。そして立憲主義を取り戻す」ことを目指すとした。
４日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、そんな日本共産党の政策について、副委員長の田村智子・参議院議員に直撃した。
■対北朝鮮「対話以外に何があるのか」
今回、共産党が筆頭に掲げたのが「国政の私物化を許さない」だ。田村議員は安倍総理の冒頭解散について「森友・加計学園の疑惑を封じ込めるためのもの。あらゆる政策を語る前提の問題として徹底的に追及し、真相究明しなければならない。安倍昭恵さんや関係者にちゃんと来てもらって話を聞く」と指摘。また、「あらゆる人事を内閣府が握ってしまうと、国家公務員が内閣府の顔色を伺った仕事をやっていくようになってしまうのではないか」「特に財務省は自分たちの論理で、政治家の要望を全部はねのける体質がある」と、霞が関改革の必要性も訴えた。
二つ目に掲げた「安保法制・特定秘密保護法・共謀罪法の廃止」について田村議員は、「そもそもこの３つは選挙公約にはなかったもの。一切語らずに選挙で勝って、議席の数だけで推し進める強行採決だった。形式の上でも民主的でない。元に戻すことこそ民主主義だ。すでに安保法制・特定秘密保護法については、変えられてしまった部分を元に戻す法案を提出した。これらを国会で通していけば、歪められた政治、自衛隊が海外でも戦争できるように書き換えられた法律を元に戻すことが可能だ。まずはそういった戦いをしていく」と説明した。
安倍総理が「国難」と位置づけ、解散の理由にも挙げた北朝鮮情勢への対応。田村議員は、安倍首相が対話よりも圧力を重視していることを厳しく批判する。「逆に対話以外に何があるのか、と聞きたい。約束を破った時こそ、話し合いの場に引っ張り出すべきだ。米朝が一刻も早く話し合い、核兵器保有の目的を明らかにさせる。安倍政権は、核兵器を放棄すれば対話すると言っているが、放棄させるための経済制裁と対話が必要だ」とした。
■「"自公・希望・維新VS市民と野党の共闘"という構図だ」
野党第一党だった民進党が、希望の党への合流、無所属、そして枝野氏率いる立憲民主党と三つに分裂した。組合員686万人超を抱える最大の支持母体・連合も異例の事態に直面、今回の選挙では政党を問わず無所属を含め考え方が一致する候補者を個別に支援していく考えを明らかにした。
立憲民主党、共産党、社民党による"野党共闘"への期待も高まる中、"連帯のメッセージ"として、枝野氏が立候補する埼玉５区で自主的に候補者を取り下げたのが、日本共産党だ。
田村議員は「私たちは"自公・希望・維新VS市民と野党の共闘"という構図で見ている。安保法制の強行採決の時、国会の外には明け方近くになっても声を上げ続ける市民の皆さんがいた。安保法制を廃止するという軸を持った市民と野党の共闘と、安保法制を認める勢力との対決だと考えている」と説明。野党共闘の一翼を担った民進党や自由党の議員たちが、今や希望の党に合流してしまった状況について「去年の参院選でも、４党の共通政策的なものを作り上げていった。その約束を破らないという、政党として信義ある立場を示すことが求められていると思う。なぜか希望の党は公明党の候補者が立つ選挙区には候補を立てないと言っている。訳が分からない」とした。（AbemaTV／『AbemaTIMES』）
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