10月8日(日)ディファ有明にて開催される「PANCRASE 290」で、パンクラス女子ウェルター級10位の三浦彩佳がブラジルのヴィヴィアニ・ゴメスと対戦する。
そのルックスから「戦う西内まりや」という俗っぽい異名で注目される一方で格闘家のタブーともいえる体重超過にもめげない「鈍感力」、長南亮や青木真也をもってして「気の触れた人」…何やらツッコミどころ満載だ。
そして、メニエール症候群というアスリートにとっては致命的な病を克服した不屈の精神、そして練習の鬼という側面。とにかく興味深いMMA女子ファイター、三浦彩佳に密着した。
今回のゴメス戦に向けた彼女のトレーニングの一端を追う一方で、以前試合でのウェイトオーバーも経験した際の舞台裏などの証言から感じられる「鈍感力」はある種大物の風格すら感じさせる部分もある。リングではなかなか垣間見ることのないキャラクターを知る手がかりとなるドキュメンタリーだ。
男子のMMAの後を追うように、近年急速なスピードで進化を遂げている女子MMA、すでに黎明期という表現から脱却し世界を見渡しても一芸に秀でた強者から、トータルファイターが制する時代に突入する過渡期という印象だが、三浦もまた不得意分野である打撃などの強化に余念が無い。
スパーリングをつとめたライカを持ってして「しつこい選手」というグランドでの粘り強さが生命線だ。対するゴメスについて三浦の分析では「背も高い、打撃もムエタイで無敗、柔術も黒帯ちょっと飛び抜けている選手。組めればなんとかなるかなというのはあります」と言葉からは打撃よりもグランドでの攻防に持ち込みたいという戦略も透けて見える。
長南亮を師匠に、青木真也などの指導も受け日々技術を磨く。両者の三浦評は「頭がおかしい」「気の触れた方の人」と手厳しいが、MMAファイターにとって致命的ともいえる体重管理のミスからも動じない、いわゆる「鈍感力」は三浦の強さでもあり弱さでもあるという。青木真也の「選手としては認めていないが、でも一人の表現する人としては何か魅力がある」という言葉にも秘めたるポテンシャルへの期待を感じさせる。
現在ランキング10位まで上げてきた三浦「1年以内のベルト奪取。それからは海外で…」を掲げているだけに、海外からの実力者との対戦に勝利し、目標への足がかりとなるか注目だ。
「PANCRASE 290」は10月8日(日)午後3時~AbemaTVで生中継