新日本プロレス、秋の大一番である10月9日の両国国技館大会では、現在の新日本マットの主役たちが存分に実力を見せつけた。
メインイベントでは、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカがEVIL相手に防衛戦。オカダは夏のG1クライマックスでEVILに敗れており、リベンジ戦という意味合いもある試合だった。試合のポイントになったのは、オカダの必殺技レインメーカーをめぐる攻防。EVILはレインメーカーを切り返しての必殺技EVILを炸裂させてオカダに勝利している。
しかし今回は、オカダがEVILへのカウンターでレインメーカー。フィニッシュでもレインメーカーを決め。30分超えの激闘を制して8度目の防衛に成功した。
この大会では1.4東京ドーム大会でのIWGP挑戦権利証をかけたシングルマッチも。権利証を持つG1覇者・内藤哲也が石井智宏を下している。メインでオカダが勝つとリングインした内藤は「東京ドームのメインイベントはオカダ・カズチカと内藤哲也でよろしいでしょうか?」とファンにアピール、大歓声を浴びた。
リング上で内藤がファンにドームのメインでいいかをあえて確認したのには理由がある。以前、両者がドームで対戦した際には、同じくIWGPヘビー級選手権試合だったにもかかわらず、ファン投票によって最終試合ではなくダブルメイン第1試合に「降格」させられているのだ。その悔しさが、現在の内藤のブレイクにおける原動力の一つになっているのは間違いない。もちろん、オカダもまた悔しい思いをしたはずだ。
しかし、オカダも内藤もあの頃とは違う。オカダは防衛を重ねて団体史上に残る名王者となり、内藤は観客の心を自在に操る“制御不能のカリスマ”となった。来年の1.4ドームで両者が対戦することに異論を挟む者は、もはや誰もいないだろう。
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