8日、日本記者クラブで開催された党首討論で、安倍総理は「自民・公明で過半数(233議席)が勝敗ライン」との見解を示した。
衆議院解散時の自民党の議席数は288。公明党と合わせると323議席で、憲法改正発議に必要な310議席(3分の2)を有していた。それらを踏まえると、233議席は“弱気”とも捉えられる数字だが、テレビ朝日・政治部デスクの細川隆三氏は「高く設定して取れなかったら退陣しなくてはならない。自公で政権を持っている今、過半数を取るというのはまっとうな目標ではある」と見解を述べる。
公明党を30議席+αと仮定すると、自民党は200議席以上を確保すれば“勝敗ライン”を上回ることができる。細川氏はこれを踏まえ「233議席は“安パイ”な数字で、裏の勝敗ラインがある」とも指摘する。「自民・公明で233議席なら安倍総理は辞めない。ただ自民党が単独過半数を失うと、来年の総裁選における安倍さんの三選に黄信号がともる。というのも、自民党の中から責任論が出てくるから。責任論が出てきただけで総理は辞めないが、その先の支持率によっては自民党内で“安倍降ろし”の動きが出てくるかもしれない。一番の戦である総裁選を待たずして、党内がゴタゴタするのは避けたい。だから、安倍総理は233議席を単独で取りたいと考えている」。
さらに、今回の衆院選における“三つ巴”の構図について「しっくりきていない」という細川氏。「自民党と公明党は連立を組んでいるのでそれはひとつの極。立憲民主党、共産党、社民党も連携を強めているので、これもリベラル勢力としてわかる。希望の党と日本維新の会をひとつにするのは違和感がある」と2党の関係をあげる。
希望の党と日本維新の会は東京と大阪で候補者をすみ分けているが、「全国的な選挙協力を行っている訳でもない。維新の会は安倍さんと近いところがあるが、かたや希望の党と三都物語で連携するなどどっちつかずなところがある。希望の党も、憲法改正と安全保障の面では自民党に近い。この両党はバラバラなところがあって、それをまとめて三つ巴の争いとするのは疑問。2党の関係をよくみた方がいい」と注意を促した。
(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)