10月15日に開催されたRIZIN初の福岡大会でメインを飾ったのは、女子ファイターRENAだった。一昨年、RIZIN旗揚げと同時にMMA参戦を果たしたシュートボクシングの女王はMMAでここまで全勝、ついにメインの座に就いたのである。しかも地上波中継では、セミファイナルとメインは生中継だった。
今回は女子GP1回戦。ファイナルは年末に行なわれることになっており、RENAは当然、主役として期待されている。
試合前日には、対戦相手アンディ・ウィンが規定体重49kgを250gオーバーするという問題が発生。しかしRENAはこれを受け入れ、通常通り試合を成立させる。「イライラした」というRENAだが「メインだし生中継なので」。
自分が勝てばいいだけ。それで丸く収まる。そんな判断だったのだろう。もちろん負ければすべてが台無しになるが、ここぞという勝負で勝ってきたからこそRENAだとも言える。
序盤、打撃戦の中でテイクダウンを許し、バックを取られる場面があったがセコンドの指示で脱出。そこから怒涛の連打でウィンをコーナーにクキ付けに。そして左フックでボディをえぐり、悶絶KOという結末に。終わってみれば、RENAの魅力が爆発した試合だったと言える。
体重オーバーとそのペナルティについて、運営面の不備も気になったが、ともあれRENAはRENAらしく、GP準決勝に駒を進めた。
「年末までにすべての面で強くなりたい。GPで優勝してからがスタートだと思ってます」
試合後にそう語ったRENA。MMAを「挑戦」としてきたが、今やRIZINでもエースの風格を漂わせている。
文・橋本宗洋