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 22日に投開票が行われる衆院選では、原発政策も争点の一つとなっている。自民党は安全性の確保を大前提に原子力発電を重要なベースロード電源と位置付けるとしており、岸田政調会長は2日「イエスかノーかという単純な議論ではなく、責任ある対応を国民の皆さん示す。これが責任政党としてあるべき姿ではないか」と述べている。

 14日のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した、元大阪府知事で自民党の太田房江・参議院議員は「エネルギー基本計画では、(原発への)依存度を低減させていくことは明記している」と強調、「資源エネルギーの問題は本当に難しい。気象状況や国際情勢が動いていく中で、日本だけで決められる問題ではない。長期的には依存度を下げるという方向性に沿って年々見直していく中でエネルギー計画を実現していく以外にない。日本の国民が生きていく上でも、産業を成り立たせていくためにも。多様化をできるだけさせていって、その中の一つに安全性が確認されている原発を位置付けていく」と話す。

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 公明党は連立を組む自民党と異なり、「原発に依存しない社会」「原発ゼロ社会」を目指している。山口代表は6日、「公明党は新規の原発の設置は認められない。国民の理解を得られないという前提に立っているので、既存のものはいずれ廃炉にならざるを得ない。原発はゼロになるということを見据えた上で、今のエネルギーの安定供給、また安全なエネルギー確保が重要であるという視点で再生可能エネルギーの確保や省エネの推進、火力発電の高効率化を訴えてきた。短期間で積極的に原発ゼロを目指すということになると、安全基準を確保した上での再稼働も否定して、積極的に廃炉に導くという動きが加わってくる可能性がある」とコメントしている。

 一方、民進党の政策を引き継ぐ立憲民主党は、再稼働反対と原発ゼロを訴える。福山幹事長は7日、「原発ゼロを単なるスローガンと語る次元はとうに過ぎている。原発ゼロは未来に対する私たち世代の責任だ」と述べている。

 番組に出演した福山幹事長は「東日本大震災の時に原発事故の対応したのが官房長官だった枝野さん(現・立憲民主党代表)、当時副長官だったのが私。原発が一度暴れだしたら、人間の手ではどうしようもないことを目の当たりにした2人だ。福島の皆さんにも本当にご苦労をおかけしている。廃炉の作業を頑張っている方もいらっしゃる。私たちは原発についてはリアリティを持って語りたい」とし、「原発ゼロは、世界中がそれに向かって競争を始めている。スローガンではなく、リアリティのあるものだと思っている。今までの民進党だと少し言いにくかったのが、枝野さんと私でここはイデオロギーは関係ないと。政治家として、原発事故に向き合ったものとして、言わなければいけないと思っているので、今までの民進党の政策よりは少しはっきりさせられたかもしれない」と訴えた。

 また、太田氏の主張に対し、「自民党案では2030年に原発の比率は22%になっている。これでは東日本大震災の時の比率と変わらず、原子力発電を低減させる意思はないと感じざるを得ない」と指摘。さらに、原発を動かす設備を維持するためのコストと、原発が動いていないことによる発電のコストの両方がかかっていると指摘、「(原発を)止めると決めた瞬間に(維持するための)コストが安くなることは間違いない。しかし、すぐに止めるのは無責任だから、原発立地自治体の雇用の問題やそこに対する交付金の手当の問題、代替エネルギーの強化(が重要)」と述べた。また「九州管内ではすでに再生可能エネルギーだけで十分にまかなえるだけの発電の設備がある。でも原発を動かさなければいけないから、あまり多く発電しないでくださいという規制が入ってきている。時代に逆行している」と批判した。

 希望の党の小池代表は3日「規制委員会が客観的、科学的に、総合的に判断する再稼働に、これは異論を唱えない」と述べ、現時点での原発の再稼働については条件付きで容認している。その一方、原発ゼロの憲法への明記を目指すとし、「2030年までに原発ゼロを目指す。そしてまた徹底した省エネ、そして再生エネルギーの活用ということから、電気の電力の構造そのものを改めて考え直す」(6日、小池代表)との見解も示している。

 元神奈川県知事で希望の党発足メンバーの松沢成文・参議院議員は番組の中で「私たちはまず大きな国家目標を立てようということで2030年と言った。ゼロにするための計画表を作っていこうと。色々な要素が必要だ。例えば、原発をどう減らすのか。再稼働を認めるのか認めないのかも重要なポイントだ。もちろん、新設はもうやらない。でも再稼働を認めたら、稼働する原発が増えてしまう。再稼働をどうするかを小池代表は言ったが、これから党内で議論していく」と述べた。さらに「再生可能エネルギーをどこまで増やせるかということ。火力発電では効率の悪い重油を止めて、液化天然ガスとか。石炭火力もそうとう技術開発をして、CO2が少ない火力発電が日本の技術で開発されている。そういう火力発電に変えていこうとか」との考えを示した。そして、「最大のポイントは、小池さんはクールビズも言っているが省エネだ」とし、そのためのロードマップを作って実現していくと述べた。また、ドイツなどの取り組みを紹介し、「原発事故を体験した日本が、これだけの技術力がありながら、それ(原発ゼロ)に挑戦できないはずがない。国家目標を作って、それに向けての技術の革新で乗り越えられると思っている」と主張した。

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 「市場競争に敗れフェードアウトへ」と原発の将来を予想する日本維新の会は「原発再稼働責任法の制定が不可欠」としている。松井代表は6日、「原発ゼロもこれは逆に年限を今の時点で区切れるはずはないと思う。期限を区切るのは難しいと思う」との見方を示した。また、日本のこころは原発容認している。中野代表は10日に「原発ゼロなどという体のいい言葉だけが踊っているが、原発だって必要だ」と述べている。

 選挙戦では立憲民主党と共闘する共産党と社民党は、引き続き原発ゼロを訴える。共産党の志位委員長は10日、「福島では事故から6年以上経つのに、なお6万8千人の方々が避難生活を余儀なくされている。家もある。土地もある。ぼうぼうになったけど畑もある。でも帰れない。ふるさとを奪われてしまっている。それを目の当たりにして、もう原発は動かせない。再稼働反対は、今や国民的合意になっているのではないだろうか」と訴えた。社民党の吉田党首は5日に「脱原発基本法。国家が脱原発の意思を示す。そうした法律を他の政党の皆さんと協力して、しっかり国会で通して、脱原発への流れを作っていきたい」と述べている。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


▶次回『みのもんたのよるバズ!』は「総選挙スペシャル!」22日20時~生放送!

みのもんたのよるバズ!総選挙スペシャル! | AbemaTV(アベマTV)
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