エメリヤーエンコ・ヒョードルやヴァンダレイ・シウバなどビッグネームを次々と獲得、ニューヨーク大会も開催するなど勢いを増しているアメリカのMMAイベント・ベラトールが10月20日にコネチカット州で大会を開催した。
この日のメインは、ゲガール・ムサシvsアレキサンダー・シュレメンコ。日本ではPRIDE、DREAMで活躍したムサシは、UFCでも上位戦線で結果を残していた。だが今年、ライバル団体であるベラトールに電撃移籍。この試合はRIZIN参戦中の堀口恭司など“UFC一極集中”が崩れつつある現状を代表する一戦とも言える。対するシュメレンコは、ベラトールの元ミドル級チャンピオン。外敵、あるいは新参者のムサシを迎え撃つ立場だ。
序盤はシュメレンコが打撃でリード。ムサシはグラウンドで攻めこむが、右目がふさがってしまいドクターチェックも。しかしシュメレンコもムサシのパウンドで出血。両者ダメージの大きい試合となった。3ラウンドにはシュメレンコがテイクダウンに成功、スタンドの打撃でも優勢に。回転系の大技もヒットする。
しかし勝者はムサシ。ラウンドごとの採点では、グラウンドで攻める場面が評価されたかムサシが1ポイント上回った。ジャッジ3者とも29-28の採点だ。終盤、押されていたムサシだけに観客からは不満の声もあがったが、ともあれ移籍一戦目で勝利を収めた。ド派手な勝利とはならなかったが、元王者からの白星は大きいとも言える。ここからベラトールのミドル級戦線がどう活性化していくか、要注目だ。