『Krush.82』(11月5日、後楽園ホール)で寺戸伸近の-55kg王座に挑戦する久保賢司には、K-1ジム五反田および蒲田の代表という顔もある。
(寺戸を壊す その思いだけで試合に臨むと久保)
キックからボクシングに転向し、いったんはリングを退いた久保だが、今年4月にK-1参戦。そこで試合には区切りをつけ、ジム運営に専念するつもりだったようだ。
そんな久保に届いたのが、Krush参戦のオファーだった。K-1のトーナメント準決勝で勝利したKrush王者・寺戸が再戦を求めてきたのだ。
久保は過去に寺戸に敗れており、K-1でリベンジを果たしたという思いだった。ところが今度は寺戸からのリベンジ&決着戦要求。「ワンマッチなら勝てる」という寺戸の思惑を知ったこともあり、久保は対戦を受けることになった。
「『寺戸がタイトルマッチでやると言っている』、『ワンマッチなら勝てる』と言っていたと聞いたので。(リベンジして)スッキリしてたのは自分だけで、仕留めきれてなかったんだと思いました。だったら二度とやりたくないというくらい叩き潰してやろう、と」
つまり、今回の試合はチャンピオンになることが目的ではない。
「試合を受けたのは、寺戸伸近が相手だったから。寺戸をぶっ壊してやろうと思っただけ。完全にプッツン来ちゃったんで、分からせてやろう、と」
もう二度と自分とやりたいとは言わせない。そのための闘いだから、必要なのは相手の「心を折る」こと。ただ勝つ、ノックアウトするというだけでなく「パンチも蹴りも全部使って、全部効かせる。そしてギブアップさせてやらないと気が済まない。『もうやめてくれ』、『勘弁してくれ』と言わせたい」
完全にスイッチが入った状態だという久保は、“破壊モード”の自分がどうなってしまうか分からない、自分でも引いてしまうところがあるとさえ語っている。その胸中にあるものは「恨みや憎しみ」だというのだからただごとではない。
もちろん倒し合い、壊し合いならKrushで数多くの激闘を展開してきた寺戸も望むところ。このタイトルマッチ、痛快を超えて“凄惨”な試合になるかもしれない。
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